Tottori diary

人の魅力に触れながら、日常を心豊かなものに。|杉浦 彩夏

杉浦 彩夏

PROFILE

全日本空輸株式会社(ANA)が鳥取県での兼業を活用した地方移住プロジェクト「ANA地方創生プロジェクト」に参加し、2025年4月から「とっとりへウェルカニコーディネーター」に就任。「とっとりdairy」のInstagramを運営しながら、鳥取の人や日常にある豊かさを発信している。

「こっちに来て感じたのは、人が魅力的だということ。そのことを通して、鳥取の良さをたくさんの人に伝えたいと思っています」

 

そう目を輝かせる杉浦彩夏さんは、「とっとりへウェルカニコーディネーター」として鳥取の魅力を伝えようと県内各地に出向き、インタビューや撮影したものをInstagramで発信している。この日は鳥取市のサーフショップ「COCO BLUE SURF」での取材に同行させてもらったが、その好奇心の強さや人懐っこさに驚かされた。

 

「私も去年神奈川でサーフィン始めたんですけど、超初心者なので教えていただきたいです。来月に予約していいですか?あと、ヨガ教室も興味があってそれも次回やりたいんです」

 

オーナーの田中千春さんとすぐに意気投合。早速の教室の予約をしたかと思えば、数カ月後に一緒にバリ島へサーフィンに行く約束までしていた。

 

「私、嘘がつけないので、行きたいと思ったら行きたいと言ってしまうし、正直なんです」

 

嬉しそうに、笑う杉浦さんがいた。

今しかできない挑戦をしたい

小学生の卒業アルバムに書いた憧れの職業に就いて2年目。仕事もようやく慣れてきた頃に、客室乗務員(CA)だけでなく、鳥取との連携プロジェクトに参加しようと決めた。

 

「実は大学時代に地方創生の勉強をしていて、北海道やオーストラリアで地域の暮らしや多文化共生のことを学びました。そういうことを活かしたい気持ちがあり、会社の仕事も覚えることはまだまだあるんですが、今しかできないことに挑戦することにしました」

 

どちらかといえば「生き方が下手というか、遠回りするタイプ」と笑う。

学生時代から部活動にしても勉強にしてもコツコツと経験を積み重ねてきたからこそ、経験は自分を成長させてくれるものだと知っている。これまで培った直感が、鳥取行きの背中を押してくれた。

 

「今は、鳥取に月の半分くらい住んでいて、残りはフライトで海外に飛ぶことが多いです。鳥取に来て、いろんな場所に行き、たくさんの人に出会い、忙しいけどとても充実した毎日を送らせてもらっています」

人の魅力に触れることの楽しさ

鳥取での主な仕事は、「とっとりdairy」のInstagramの運営。数千人のフォロワーがいたアカウントを前任者から引き継ぎ、最初は戸惑いがあったという。

 

「最初の頃は、新しいスポットに行き、景色や食事のことを紹介していたんですが、こういうのは他の人もやっているんじゃないと思って、このままでいいのかなと悩みました。そんな中で、私が鳥取に来てからいいなと感じたことはなんだろうと考えたら、人だなって思ったんです」

 

 そう思わせるきっかけがある。

 

「鳥取に初めてやって来た日に、街中で温泉に入ろうと思っていたらまさかの閉店で。どうしようかなと思っていたら、近くにいたおばあちゃんが『ここは閉まるけど開いているところ教えてあげるから、こっちおいで』と連れていってくれたんです。なんて温かいまちなんだと思いました」

 

 都会での生活では、なかなか人のつながりや他人への優しさを感じる機会が少なかった。だからこそ、それがある鳥取に惹かれた。以来、できるだけ人の思いや背景まで届けられるような発信を心がけている。

 

「東京だとちょっとやりにくいけど、鳥取は流れている時間もゆっくりだし、みんなが穏やかなので、私も気軽に話しかけやすいんです」

 

鳥取に来て、どこでも積極的になれる自分がいた。

暮らし方や生き方が変わる体験

 鳥取での仕事や暮らしは、人生観も変えつつある。

 

「人に出会うたびに、その人の言葉にビビっと来るというか、学びや気づきがあることが多いです。その時に自分が迷っていたり、悩んでいたことがあると、たまたまその答えを導いてくれる言葉に出会うこともあったり。不思議ですけど、そういう日々が自分のためにもなっていると思います」

 

 江府町の自然塾インストラクターをしている光島宏美さんに会った時には、「私は迷わない。今の感情通りに動いたらいいよ」と教えてもらい、迷いが吹っ切れた。誰かの言葉が誰かの背中を押し、影響を与える。そんな連鎖を届けられたらと願う。

 

「CAの仕事でも学びはたくさんありますが、いかに早くお客様に良いサービスを届けてゆっくり過ごしてもらえるかを考えていました。どこか気持ち的には余裕がなかったというか。でも鳥取に来て一番感じるのは、心の余裕、心の余白なのかもしれません」

 

人の数も違えば、見える空の広さも違う。感じる時間の流れも違うだろう。

つい誰かと比べて暮らしている自分もいたが、鳥取に来て、心が落ち着く時間が増えた。

 

「自分らしく生きている人に出会っているおかげか、みんなが誰かと比べなくていいよ、ゆっくりでいいよ、と言ってくださっている気がして。余裕が生まれると星を見たり、海を見たり、そういう時間が生まれて、日々が豊かになった気がします」

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鳥取に移住した現役ANA CA

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