人とのつながりと、ゆっくりとした時間が好き。|アラン・マリー
フランス出身。2016年に国際交流員として三朝町に着任。6年間、文化体験や情報発信の仕事をしながらフランスと日本の橋渡しを担い、現在は「とっとりメルシープランセス」として鳥取の魅力をSNSなどで発信している。
「ここから先は、自分を清めるための修行の道。山の岩や土を素手で触ることも、自然の音も聞くのも、五感を清めるための修行です。途中の文殊堂はすごい眺めがいいんですけど、そこまで一番急ですよ。さぁ、行きましょう」
清々しい空気に包まれた朝、修験の霊地として1300年の歴史がある三徳山にいた。案内してくれたのは、フランス出身で1年前まで三朝町の国際交流員だったマリーさん。「これまでにもう50回は登ったかな」。勝手知ったる道を、颯爽と登っていく。
幼い頃から日本に興味を持ち、三朝町の国際交流員になった。6年間過ごし、昨年からは「とっとりメルシープランセス」として活動中。大好きな鳥取の魅力をたくさんの人に届けている。
フランスから憧れ続けた日本へ
小学生の頃、日本の習字を見て、アートのような美しさを感じた。以来、自然と日本の文化や暮らしに興味を持ち、中学から大学までフランスで日本語を学んだ。大学卒業が近づいた頃、国際交流員の試験を受けてみることに。配置希望を「札幌」と書いたが、行き先に選ばれたのは鳥取県三朝町だった。
「トットリってどこ?って(笑)。フランス語で調べようとしたら『トトロ』が出てきたくらい、なにも知らなかった。町に着いたら夜で真っ暗。家もあまりないし、本当に大丈夫かなと心配になりました。でも、朝起きたら川が見えたんです。あ、きれいな町だなぁと思ったのが最初です」
不安でいっぱいの来日だったが、この場所がマリーさんの人生を変えた。
交流員として翻訳や通訳をはじめ、フランス文化を町民や県民に伝えようと料理教室やフランス語教室を開いた。三朝町で過ごした6年間。そこで見つけたのは、なにげない日常の中で感じる鳥取の魅力だった。
人とのつながりがある場所
三徳山から下山する道中でも、「あれ、マリーさんじゃない?」とすれ違う人に声をかけられた。そうかと思えば、三朝の温泉街を歩いていても知り合いにばったり。
「人との距離が近いですね。冬は雪がすごくて家の前の雪かきが大変なんです。ある日、体調が悪くて朝できなかったら隣の人がしてくれていて、びっくりしました。次の日は反対に私が隣の家の雪かきをしてあげました。こういう人のつながりがあるんです」
現在は三朝町を離れて広島県に住むが、鳥取の人の温かさが忘れられないという。
この日のお昼ご飯は、マリーさんおすすめのお店の一つ、「味賞三朝屋」へ。三朝町に戻るたびに立ち寄る名店だという。来日当初、温泉街の足湯に一人浸かりながら家族に連絡していたところ、店主の玉川泰之さんに話しかけられ意気投合したという。
「一見都会の方が便利に見えるけど、私にはここ(三朝町)の生活の方が落ち着くんですよね。温泉と一緒。三朝は、温かいんです。いつかはまた戻って暮らしたいという思いもあります」
自然体で過ごせることの価値
マリーさんは、国際交流員時代から地道に続けている情報発信を深めていきたいと、現在はSNSなどで自分が感じる鳥取のおすすめを紹介している。
「たとえば、三徳山は観光名所でもあるし、鳥取にも観光地はあるけど、私が紹介したいのはもっと身近なことなんです。鳥取に来て、地元の人が『何にもないところ』というけどそんなことないって思います」
人に出会うたび、いろんなことを教えてもらったという。「家の裏にきれいな滝があるんだよ」「あそこには赤く咲くトチの木があるよ」。自分の宝物のように嬉しそうに教えてくれる人たち。ひとつひとつが、とてもかけがえのないものに感じられた。
「ゆっくりと暮らす。ゆっくりと観光する。ゆっくりと地域の人とおしゃべりができる。それがここの魅力だと思います。外国人も最初に日本に来ると京都や東京といったいわゆる王道を訪れることが多いけど、みんながみんな同じ価値観でもなく、私のようにここにある価値に興味を持つ外国人も多いと思うんです」
みんながみんな、向いているわけではないかもしれない。
けど、自然が好きで、地域の関わりが好き。
ゆっくりとした時間の流れが好き。
そんな人に、自分が見つけた小さな幸せを届けたい。
SNS一覧
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