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移住者インタビュー

一緒に移住した両親と共にベーカリー&居酒屋をオープン

佐武里枝さん1.JPG

青谷駅の近くにパン屋をオープンした佐武里枝さん(写真右)と両親。夜は両親が経営する居酒屋に変わる。
「つばさベーカリー」Instagram:@s.tsubasabakery

 

両親の移住をきっかけに居酒屋でパン屋を開店

鳥取市の西側に位置する青谷町(あおやちょう)は、弥生時代の集落跡「国史跡(あお)谷上(やかみ)寺地(じち)遺跡(いせき)」をはじめとした歴史と文化の宝庫。海岸線には、美しい岩場と砂浜が広がる。

そんな青谷町で、大阪府枚方市出身の佐武(さたけ)()()さん(45歳)は新たにパン屋をオープンした。里枝さんは高校時代にパン屋でバイトを始め、その後もパン業界に勤めて販売から製造までを経験。4年ほど前から移住を検討していた両親が移住先に青谷町を選んだことから、一緒に店を開くことを決めた。

「青谷町には妹家族が住んでいました。今後の仕事のことも考えて、両親の移住先に私もついていくことにしました」

 

里枝さんが移住前に鳥取に来たのは1度きりだが、近くに家族が住んでいることで大きな不安はなかった。大阪で居酒屋を営んでいた両親は、青谷駅近くの元文具店を改修。2022年11月に「酒楽つばさ&ベーカリー」をオープンした。9時の開店と同時に、棚には約20種のパンが並び、売り切れ次第終了。洋菓子をイメージした特製クリームをたっぷり詰め込んだ「天使のくりーむぱん」が人気で、これを目当てに訪れるお客さんも多い。一方、両親はたこ焼きなどを販売し、夕方からは同じ店舗を居酒屋として切り盛りしている。

「大阪とは商売のやり方が違うなと感じます。駅前の人通りは少ないですが、鳥取はイベント出店の機会が多く、そこからいろんな人とつながっています」

 

海辺の一軒家で暮らす里枝さん。休日は、長年一緒に暮らしている愛犬と過ごすのが楽しみ。

車がないため動物病院への通院などで不便さを感じつつも、海辺の散歩を日課に自然を満喫している。趣味の釣りができる環境もうれしい。

 

店は1周年を迎えたばかり。もっと店のことを知ってほしいと、青谷上寺地遺跡にちなんだパンなども販売し、地域の輪を広げている。

 

佐武里枝さん2.JPG大阪から愛犬も一緒に移住。近くの海岸を散歩するのが日課となっている。「海辺の散歩は気持ちがいいですよ」。

 

つばさベーカリー.JPG

クロワッサン、カレーパン、たまごクッキーパンなど、1日20種類ほどのパンを販売。
「天使のくりーむぱん」は店の看板商品。

 

鳥取市(とっとりし)

鳥取県東部に位置する人口約18万人の県庁所在地。鳥取砂丘などの恵まれた自然と温泉が身近にあり、医療機関や商業施設なども充実。市の西側にある青谷町には日本海に突出した溶岩台地の長尾鼻(ながおばな)があり、鳴り砂の浜で知られる海岸もある。

羽田空港から鳥取砂丘コナン空港まで約1時間15分、大阪から車で約2時間30分。

お問合せ:鳥取市地域振興課

☎0120-567-464

http://tottori-iju.jp/

 

宝島社発行「田舎暮らしの本」2024年2月号掲載