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移住者インタビュー

田舎でも本格的なダンスができることをアピールしていきたい!

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万葉さんにダンス指導を依頼した企画会社「アシスト日南」社長の西村恵輝(けいき)さん(右)と。

 

母となり、ダンスも再開 予想外の多忙さを楽しむ

2016年1月、坪倉万葉(まよ)さん(37歳)は、東京から夫の弘和さん(37歳)の故郷、日南町へやってきた。営業マンだった弘和(ひろかず)さんは日南町特産のトマトの栽培農家となり、万葉さんは長男・(こう)()くん(7歳)を出産した。2年前に次男の和穂(かずほ)くん(2歳)も生まれ、弘和さんの生家の長屋を改築して家族4人で暮らしている。
「新潟で里帰り出産して、戻ってしばらくは〝()(そだ)て〞状態でした。町の『子育て支援センター』を知ってから、ママ友ができました。こうした支援を知ることは大事ですね。日南町は保育料が無償。息子が通う園は園児が8人。その分手厚く、子育て環境はよいと思います」
 小学生の恒太くんは放課後、学童を利用している。木登りや石拾いなど、友達と楽しく遊んでいるそうだ。その間、万葉さんはある仕事をしている。じつは万葉さんは、東京ではミュージシャンのバックも務めるプロのダンサーだった。そこを見込まれ、ダンスの指導を依頼された。「うれしかったです。都会疲れで東京に未練はなかったのですが、ダンスを再開できるとは」。
 ストリート系ダンスを中心に教え、生徒は小学生から高校生まで35人。町外からも数人が通う。今夏「米子がいな(まつり)(※)」のコンテストで見事準優勝に輝いた。
「田舎でも本格的なダンスができるとアピールしていきたい。町の方もとても応援してくださるんです。県外のコンテストにも挑戦したいと思います」
 今年4月からローカルテレビ局のキャスターも務める万葉さん。思い描いたスローライフとは少し違うが充実した毎日だ。「日南町は四季折々の山が美しいので、なるべくゆとりを持って、自然も楽しみたいですね」と笑う万葉さん。山奥のまちで、大きく可能性を広げている。

 

※米子がいな祭り・・・1974年から米子市で開催されている参加型の夏祭りで、ステージやパレード、ダンスコンテストなどが行われる。「がいな」とは「大きい」を意味する米子の方言。

 

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日南町総合文化センターで、週3日、4クラスのダンスレッスンを行う。
インストラクターは18歳からのキャリア。

 

日南町(にちなんちょう)

島根県、広島県、岡山県の3県に接する、人口約4000人のまち。
中国山地のほぼ真ん中に位置し、1000m級の山々に囲まれている。日野川源流の渓流や滝は沢登りやトレッキングに最適。ヒメボタルの観賞地も有名だ。
羽田空港から米子鬼太郎空港まで約1時間15分、米子鬼太郎空港から日南町まで車で約90分。
お問合せ:日南町地域づくり推進課
☎ 0859-82-1115
https://www.town.nichinan.lg.jp/kurashi_kankyo/iju_teiju/index.html

 


宝島社発行 「田舎暮らしの本」 2024年1月号掲載