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移住者インタビュー

時間・空間的にも人の心にも"余白"があるまちでの暮らし

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四季を彩る庭の手入れはいまや趣味の1つ。近所の人が野菜や花の苗をくれることも。

 

祖父母の家を継ぎ境港時間をまったり満喫

大阪育ちの森原(もりはら)(つばさ)さん(31歳)にとって境港市は"おじいちゃんとおばあちゃんのまち"だった。年に数度、母親の実家で過ごすのが大好きで、「いつかここで暮らしたい」と思っていた。「まったりとした空気が合っていました。海にも行きましたが、家でゆっくりするだけの、のびのびとした時間も好きです」
やがて大人になり、憧れの書店員に。境港の家は主を失い空き家になっていた。
気になっても移住には費用がかかる。運転免許も車も新たに必要だ。何年か足踏み状態が続いたが、25歳でついに移住を決断した。
まず取り組んだのが就職活動。移住前に「ふるさと鳥取県定住機構」の米子窓口に相談し、企業就職フェアにも参加した。
「定住機構の方は、地元の細かな情報をくださいました。僕は結果的に職種を変えましたが、『環境も仕事も同時に変わると大変だから、現職と同じ仕事もいいと思う』などの親身な助言がありがたかったですね」
 2019年に移住した森原さんは、祖父の最期を看取ってくれた社会福祉法人「こうほうえん」で介護福祉士として勤務。近所でも歓迎され、自治会にも入って、しっかりと地元に根を張っている。
「境港市には、時間・空間的にも人の心にも"余白"がある。僕にはそれが一番の魅力です。それに食材の鮮度がよくて、ご飯がおいしい。島根、山陽、関西、各方面へも行きやすいです」
 今後は、自身の経験を境港市の移住促進に役立てたいと考えている。
「僕みたいにキャリアも貯金もない、気持ちだけの状態でも応援してもらえて、移住がかないました。地域によりさまざまな優遇もありますが、やはり移住するなら『このまちだ』という自分の気持ちを大切にしてほしい。あとは行動あるのみです!」
 境港市に"帰った"森原さん、新たな風を呼んでくれそうだ。

 

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勤務先の介護老人保健施設で、上司の倉光桂吾さん(右)と。
「移住前の就職フェアで施設の説明を聞き、介護職に興味を持ちました」。

 

森原さん③.JPG
近くの「夢みなと公園」や「境台場公園」はお気に入りの読書スポット。大山などへ本とアウトドアのコーヒーセットを携えて行くことも。

 

境港市(さかいみなとし)

弓浜半島の先端に位置する、人口約3万1800人の水産業が盛んなまち。
三方が豊かな海にひらけ、霊峰・大山(だいせん)を日本海越しに望める。
漫画家・水木しげる氏の出身地で、「水木しげるロード」は人気の観光地。
羽田空港から米子鬼太郎空港まで約1時間15分、米子鬼太郎空港から境港駅まで車で約15分。島根県隠岐諸島への船も発着する。
お問合せ:境港市総務部総合政策課
☎︎0859-47-1024
https://www.city.sakaiminato.lg.jp/index.php?view=115896

 


宝島社発行 「田舎暮らしの本」 2024年1月号掲載