三朝町を代表する山の1つ、若杉山は森田さん夫妻が好きな場所。絶景の低山で「雪の季節にも行ってみたい。」と柾さん。地域住民と談笑する佐々木さん(右)
あふれる鳥取愛を還元したいとUターン
「地方創生というワードに興味を持ち、鳥取に愛を還元したいという思いから三朝町地域おこし協力隊になりました」
そう話すのは、2022年10月に京都から移住した森田 柾さん(32歳)。
米子市で生まれ育ち、京都の芸術系の大学に進学。東京、ニュージーランドでも暮らしたが、「鳥取県の全市町村に家を持ちたい!」というほど鳥取が大好きで、いつかUターンしたいという思いがあった。
「京都で和紙をつくる仕事をしていたとき、まちづくりを仕事にできる地域おこし協力隊の制度を知りました。ものづくりを地域振興に生かしたいと考えている三朝町の担当者に出会えたことと、興味のある分野で協力隊として活動できることが決め手となり、移住を決めました」
柾さんのミッションは、移住定住や空き家活用の促進、ものづくりでの地域活性化など。これまで三朝町になかった移住定住のパンフレットの制作や、空き家活用につなげる古民家見学ツアーの企画のほか、子ども向けのものづくりワークショップも実施した。地域の人たちとコミュニケーションを取りながら行う活動にやりがいを感じている。
近所に住む山田長俊さんは、竹あかりを製作している。
今後は、柾さんとの新たなものづくりに発展するかも。
兵庫県出身の朝美さん(29歳)とは、柾さんが三朝町に移住する前に結婚。
三朝温泉近くの山手にある一軒家を借り、新婚生活をスタートさせた。朝美さんは、移住前に勤めていたWeb制作会社の仕事をテレワークで続け、休日には柾さんの趣味のDIYなどを一緒に楽しんでいる。
「近くに知っているお店がないのは不安でしたが、三朝町は倉吉市に近いので、買い物の不便さは感じません。三朝温泉の起源でもある『株湯』に行ったり、満天の星を見たりして三朝町での暮らしを楽しんでいます」(朝美さん)
雪の日には近所の山田長俊さんが、家の前の坂道を除雪機で雪かきしてくれるなど、何かとお世話になっているそう。これからも地域の人たちと交流しながら、できることを地元に還元したいという柾さん。まちに新たな活力が生まれている。
三朝町(みささちょう)
鳥取県中部に位置する人口約6000人のまち。世界屈指のラドン含有量を誇る「三朝温泉」、日本一危険な国宝で知られる「三徳山投入堂(みとくさんなげいれどう)」などの観光資源に恵まれ、日本遺産第一号に認定。三朝米、三朝神倉大豆など農産物も豊富。
羽田空港から鳥取砂丘コナン空港まで約1時間15分、鳥取砂丘コナン空港から三朝町まで車で約1時間。
お問合せ:三朝町企画健康課
☎0858-43-3506
http://www.town.misasa.tottori.jp/315/319/374/29251.html
宝島社発行 「田舎暮らしの本」 2023年12月号掲載