赤い壁にポスターや作品が飾ってある、大人の隠れ家のような2階で。
「まちのサイズが小さいから、アイデアがすぐに上まで通る。そして町の人もすぐに協力してくれる琴浦町が好き♡」
とPicoさん。
独自の経験・人脈・感性で地域の人と面白いことを
琴浦町には、まちづくりや移住支援など20を超える団体があり、まちづくりやマルシェ、清掃などさまざまな活動を行い、それがきっかけで人が訪れ、移住者も増えている。
そんな琴浦町の海辺近くに、不思議な店「ARIENOON SunSET」が誕生した。
みんなからPicoさんと呼ばれる店主の黒田雅彦さん(62歳)は、米子市で家族と暮らしながら、琴浦町へ通っている。
「ここは古着屋的な秘密基地。違和感がある場所にしたくて古着やバイクを並べています笑)」
米子市生まれで、アーティストのマネージャーなどを経験したPicoさんは、米子でライブハウスの経営を始めた。家のリフォームを考えたときに、奥さんが若いころ「海が見えるところで暮らしたい」と言っていたことを思い出す。
「琴浦町へ引っ越した友人に聞いたら、海が目の前の物件があると。見学に来たら、その日に鍵を渡されて。びっくりしたよ」
知り合いの大工さんや友人たちの手伝いとPicoさんの感性で、秘密基地のような空間へと改修、2022年にオープンした。
家主の北山達也さんは、「Picoさんは、僕が思いもしないアイデアを次から次へと出してくる。それを形にしていくのが面白くて」とうれしそうだ。
Picoさんも、「港町はひとくせある人が多い。ここはまさにそういうところ。自分がやりたいことができる場所を見つけました」と話す。
「 ARIENOON SunSET 」の前で談笑する、家主の北山さんとPicoさん
すぐ近くにある「ワク珈琲」。
店主の中本さんは、町の会合でPicoさんから声をかけられて仲良くなった。
Picoさんの経験や人脈を活かし、バイオリンの個人レッスンや線香花火大会などを開催。
ほかにも町の名所「鳴り石の浜」でのイベントのステージ音楽担当を任され、秋に行われるアマチュアキックボクシングの大会はPicoさんがきっかけ。
ショッピングセンターにピアノを置いてストリートライブをやろうと言い出したのもPico さんだ。町には『アウフグース(※1)』の世界大会で3位(※2)になった熱波師もいる。
琴浦町を『キックボクシング、音楽、サウナのまち』として有名にしたいですね(笑)』
※1 サウナ中にタオルで熱風を送ること
※2 個人部門フリースタイル
琴浦町(ことうらちょう)
鳥取県のほぼ中央に位置し、名峰・大山(だいせん)と日本海に接している。
海も山もある多彩な魅力を「惑星コトウラ」としてPR。本誌「住みたい田舎ベストランキング」2023年版「人口1万人以上2万人未満のまち」総合・子育て・シニア部門で1位に。
羽田空港から鳥取砂丘コナン空港・米子鬼太郎空港まで約1時間15分、各空港から琴浦町まで車で約1時間。
お問い合わせ:琴浦町企画政策課 ☎0858-52-1708
https://www.town.kotoura.tottori.jp/ijuteiju/
宝島社発行 「田舎暮らしの本」 2023年10月号掲載