ホーム移住者インタビュー移住体験談天井の中に隠れていた立派な梁。リノベーションのイメージが固まりました。

移住者インタビュー

天井の中に隠れていた立派な梁。リノベーションのイメージが固まりました。

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ミカエル・ボードリーさんを囲んで、商店街での開業をサポートしてくれた米子観光まちづくり公社
の川越博行さん(右)と商店街の老舗「まつだ屋呉服店」を営む渡部紘三さん(左)。

 

仲間と暮らす幸せを求め住みやすいまち米子へ

 山陰の商都として栄え、城下町としての歴史もある米子市。駅前から続く商店街には、呉服屋などの老舗から若者に人気の飲食店、古着専門店まで新旧混在した商店が軒を連ねる。

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1階のワインカフェのカウンターに立つミカエルさん。フランスやイタリアのワインやハム、チーズを提供している。

「米子市はパワースポット。地域の人がフレンドリーで住みやすいまちです」 
 そう話すのは、中心市街地の本通り商店街でワインカフェ&ゲストハウス「L'AtelieR(ラトリエ)」を開いたミカエル・ボードリーさん(42歳)。2014年にフランスから移り住んだ。
 ミカエルさんが初めて来日したのは03年。フランスで電気関連の技師だったことから、仕事で4年半ほど米子市に住んだ。そのころから米子のまちが好きになり、音楽活動をきっかけに仲間もできた。一度はフランスに帰国したが、米子市での暮らしが忘れられず、仕事を辞めて移住することを決意した。 
 フランス語教室や通訳の仕事をして暮らしていたある日、商店街に気になる空き家を見つけた。プラモデルを販売していた店舗で、中を見せてもらうと、多くの荷物は残されたまま。瓦屋根の雨漏りもひどく、誰もが敬遠しそうな物件に、ここなら何かできそうだと可能性を感じて購入。時間をかけて活用方法を考えながら改修を進めた。

 

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ゲストハウスの客室は3部屋。年代ものの味わいある家具や壁紙など、フランスの田舎町がコンセプト。
1泊1人5000円、2人8000円。

 

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梁を生かしたこだわりのリビング。電気工事はすべてミカエルさんが手がけた。
ワインカフェ&ゲストハウス「L'AtelieR」

 

「建物は古く、友達からは反対されましたが、フランスでは数百年前の建物をリノベーションするのは普通です。商店街の一角で、広さもあり、ポテンシャルの高い物件だと直感しました」
 2階の片付けから取りかかり、屋根の修繕のために天井を取り除くと、明治初期のものと思われる立派な梁はりが現れた。梁を生かしたリビングのイメージが湧き、窓もなく暗かった2階は、天窓を備えた明るい部屋に様変わり。ユーズド家具などを置いて、南フランスの田舎の家を思わせる空間ができあがった。 
 20年7月にゲストハウスをスタートし、翌年4月には1階に夢だったというワインカフェもオープン。どちらも得意のDIYで内装にこだわり、アンティークな雰囲気が漂っている。

 

 

商店街を舞台に新たなプロジェクトも構想中

 商店街の人たちは温かく、ふだんから交流が絶えない。近くには、音楽でつながった友達が経営している店もあり、休憩時間にお互いの店を行き来することも。

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近くのバーガー店「NEW RIVER-SIDE AIR」の岩田章吾さんとは、音楽の趣味が同じ。音楽や米子の商店街のことなど、気軽に話せる仲だ。

 

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「L'AtelieR」で週3回開いているフランス語教室には約20人の受講生が通う。

 

 まちづくりの活動にもかかわり、今後の商店街にさらなる可能性を見いだしている。というのも、じつは近くにもう1 軒の空き家を購入し、ワーケーションの施設としてリノベーションに取りかかっていたのだ。
 昔ながらの味わいがある商店街に、ミカエルさんや仲間による新しい風が吹いている。

 

 

米子市のここが好き

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米子城跡から米子市街や大山を望む。

 

 

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米子市(よなごし)

中国地方最高峰の大山(だいせん)を望む人口約15万人の都市。山陰のほぼ中央に位置し、交通の利便性が高く、人口10万人当たりの医師数が全国平均の約2倍と医療も充実。
羽田空港から米子鬼太郎空港まで約1時間、大阪からは車で約3時間。

 

 

移住相談員のよもやま話

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ミカエルさんもお気に入りの米子城跡は、NHK『日本最強の城スペシャル 第10弾~一度は行きたい絶景の城~』において最強の城に選ばれました。徒歩15分ほどで上れる天守台からは、米子市街地や中海(なかうみ)、大山、日本海まで一望できます。特に、一年のうち数日しか見られない大山山頂から昇る朝日「ダイヤモンド大山」や、中海に沈む夕日「オレンジロード」は、まさに絶景。風景を堪能したあとは海辺の温泉街「皆生(かいけ)温泉」で疲れを癒やしてください。(米子市移住定住相談員)

 

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お問い合わせ:米子市総合政策課移住定住相談窓口
☎0859-23-5359
移住定住相談員の中上弘恵さん(右)と宇津宮崇室長。

宝島社発行「田舎暮らしの本」2022年10月号掲載