ホーム移住者インタビュー移住体験談若桜町には可能性がある。地元の人と一緒に盛り上げていきたい。

移住者インタビュー

若桜町には可能性がある。地元の人と一緒に盛り上げていきたい。

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近所を流れる八東川(はっとうがわ)の支流は家族お気に入りの散歩コース。

 

 

文化を求めて若桜町へ。決め手は鉄道と小中一貫校

 栃木県出身の柚洞一央(ゆほらかずひろ)さん(46歳)と、沖縄県出身の久美子さん(43歳)。琉球大学で出会った2人は、地理学者である一央さんの進学や就職に合わせ、北は北海道から南は山口県まで各地の農漁村に移り住んできた田舎暮らしのベテランだ。3年前、鳥取市に勤め先が決まったときもその姿勢は変わらなかった。「私たちは地域の文化を知りたくて、田舎を選んできました」と一央さん。久美子さんは「3人の子どもたちは生まれたときから古民家育ち。安心して大きな声や音を出せる環境に慣れてしまっているんです」と笑う。
 若桜町に決めたのは、開通当時の趣を残す若桜鉄道や、若桜谷の美しい景色、小中一貫校「若桜学園」、町村合併しなかった気骨などが気に入ったからだそう。若桜町移住定住・交流センターに住まいを相談し、当初は駅前の空き家に一央さんが単身赴任。1年後、家主の帰郷によって引っ越しすることになった際も、同センターの相談員が築約150年の古民家を紹介してくれた。これが現在の家で、昨春、久美子さんと子どもたちも移住。5人揃って、本格的な若桜暮らしが始まった。

 

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集落を挙げて柚洞さん一家を盛大に歓迎。2020年9月、集落内の相撲館にて。

 

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お隣さんに教わりながら、裏庭で家庭菜園に初挑戦。いつの間にか苗が植えられていたことも。

 

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若桜駅舎内にある、昭和5年設立当時の駅舎を生かしたカフェ&待合スペース。

 

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3姉弟が通う、小中一貫校「町立若桜学園」。タブレット端末や電子黒板を用いた最新の教育を取り入れている。

 

 

地域活動に参加して田舎暮らしをより楽しく

 新しい土地や学校に多少の不安があった久美子さんだが、地域でも保護者間でも温かく迎えられ、すぐになじんだ。
 子どもたちは用水路や公園、図書館など自分たちで楽しみを見つけて遊びに出る。そうした過ごし方が、自ら考えて行動する力を養うと夫妻は考える。集落内児童の交流も、柚洞家の登場で活発になったという。
 3姉弟は、近所の人たちにわが子や孫のように見守られている。家が大通りから離れているため、通学路の停止線と街灯を新設してくれた。さらに久美子さんは、町の移住相談員への相談をきっかけに職を得た。
 こうした数々の厚い支援に、柚洞家も応える。自治会や親子会に加入して活動し、一央さんは集落の消防団や町のまちづくりプロジェクトにも参画するなど、積極的に地域とかかわっている。
 「田舎の暮らしは、自分たちだけでは完結しません。行事や住民同士の交流などさまざまな関係の上に成り立つもの。移住を検討される方は、そこを深くイメージしたほうがいいと思います」と久美子さん。
 一央さんは、若桜町の未来に大きな関心を寄せている。自宅に住民と一央さんが教える学生が集って、まちづくりや学校のあり方を語り明かす夜もしばしば。「若桜町は生活インフラがそろった、人口約3000人のコンパクトなまち。この規模を生かしてできることを見つけたい」と意気込む。
 "自分たちさえよければいい"ではなく、"地域のためにどれだけのことができるか"を考える。柚洞家の田舎暮らし哲学は、移住者と地域がともに高め合うスパイラルを生み出している。

 

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3人とも、わかさ生涯学習情報館(図書館)が大好き。放課後や休日、読書や勉強をして過ごす。

 

 

●若桜町のうっとりPoint●


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昭和5年の開業当時の姿をとどめている若桜駅の木造駅舎。このほか機関車転車台や給水塔など、多くの登録有形文化財がある。

 

若桜町TOPICS●
「わかさ氷ノ山(ひょうのせん)スキー場へ!」


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若桜町の中心部から車で約20分のわかさ氷ノ山スキー場は、5つのコースがあり初心者から上級者まで楽しめる。
若桜学園の児童・生徒はリフト代が全額補助。問:樹氷スノーピア ☎0858-82-0512

 

「オンライン空き家見学を実施」
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若桜町では、移住相談員による空き家紹介動画を利用した空き家見学ができる。オンラインの移住相談と併せて活用したい。希望日の2日前までの予約が必要(電話またはメール)。
問若桜町移住定住・交流センター ☎0858-71-0800 wakasa-iju@town.wakasa.tottori.jp

 

●若桜町の移住支援情報●
 
子育て応援給付金、第1子から給食費含む保育料完全無料、学校給食費半額補助、学校教材費補助、英語検定費用の全額助成、通学費助成など、子育て支援が充実。また、住宅の新築・購入・改修に対し最大200万円補助(対象経費の1/2)や子育て世代を対象とした20万円の移住奨励金など、移住支援も手厚い。町内での就職・開業に対する支援も実施している。
 「3日~2カ月まで入居可能なお試し住宅もあります。移住後も困りごとの相談など、継続してサポート。ぜひ若桜町への移住をご検討ください!」

問い合わせ:若桜町移住定住・交流センター ☎0858-71-0800 若桜町ふるさと創生課 ☎0858-82-2231

 

宝島社発行「田舎暮らしの本2021年2月号」掲載