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移住者インタビュー

倉吉市の奥地にホーリーランドを発見⁉ 英語教室をはじめ、精力的に活動

倉吉市の奥地にホーリーランドを発見!?

 鳥取県倉吉市の中心部から南へ車で20分ほど。かつて宿場町として賑わった関金町(せきがねちょう)は、すぐそばに蒜山(ひるぜん)三座(さんざ)を望み、山陰屈指の古湯・関金温泉があることで知られる。このまちへ2017年9月に移り住んできたのが、クリス・バンキャンペンさん(52歳)、バンキャンペン米田(よねだ)典子(のりこ)さん(53歳)夫妻だ。クリスさんの故郷アメリカで暮らしていたが、子どもたち4人が独立し、大阪にいた典子さんの両親の介護が必要になったことをきっかけに、日本への移住を考えた。
「アメリカの会社で手がけていたインターネット販売の仕事を日本でも続けるためには、パートナーが必要でした。過去に大阪で働いていたとき知り合った仲間を思い出し、調べてみると倉吉市でワイナリーを経営していることがわかったんです」とクリスさん。
 倉吉市を訪ねると、市の移住担当者を紹介してくれた。空き家バンク物件を案内してもらったところ、関金町の奥地にたたずむ日本家屋が目に留まった。
「周辺は水が清らかで緑もきれい。〝堀〞という地名を聞いて、まさにホーリー(堀)ランドだと思ったんです。ワサビ田や畑が付いていたのも魅力でした」と、クリスさんは振り返る。

 

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アメリカから倉吉市関金町へ移住したバンキャンペンさん夫妻。温かな人と豊かな自然に恵まれたまちで英語教室のほか幅広く活躍中!

 

英語教室(外観).JPG

 

倉吉市関金町にある英語教室「mismi(ミズミー) English」。
鳥取県倉吉市関金町関金宿1560-2  TEL 0858-33-4667

 

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クリスさんは鳥取県中部の特産品をアメリカ向けにネット販売する事業を運営。「商品展開を増やして地域の魅力を紹介していきたい」と話す。

 

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関金町の中心部から少し山手へ入った自宅。周囲を彩る山の緑と田園が気持ちいい。

 

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夫婦で農業にも取り組み、多く収穫できた野菜は道の駅や直売所へ出荷している。

 

ワイン用ブドウ栽培.JPG

 

自家菜園だけでなく、倉吉ワイナリーに納めるワイン用ブドウの栽培にも着手。今後品種を増やしていく計画だ。

 

 

念願の英語教室をはじめ夫婦で精力的に活動

 移住後、クリスさんは鳥取県中部の特産品をアメリカ向けにネット販売する業務を開始。併せて、典子さんが代表となり、英語教室も立ち上げた。
「アメリカの大学や小・中学校で教えてきた経験を活かし、日本の子どもたちが英語を話せるよう力になりたかったんです」
 そんな夢を抱いていた典子さんは、町内中心部の空き店舗を借りて開校。生きた英語が身につくという評判が広がり、今では3歳から70歳まで幅広い世代が町内外から通う。
「皆さんの反応を見て、もっといろんなことができるんじゃないかと感じています」
 2人が将来の目標として見据えるのが、閉校になった山守(やまもり)小学校の活用だ。現在、倉吉市は旧山守小学校を活用する事業者を公募しており、典子さんは、国内外の子どもたちが集う場、あるいはワーキングホリデーの拠点やシェアオフィスなど多目的スペースとして使えないか、クリスさんと構想を練っている。
 2人は農業にも取り組みはじめた。まだまだ初心者レベルだが身近に心強い味方がいるとクリスさんは話す。
「近所の農家さんが教えてくださるんです。『そろそろ追肥よ』『虫がついてない?』と、まるでベビーシッターのよう(笑)」
 さらに、関金町が力を入れる修学旅行生などの民泊の受け入れもスタートした。典子さんは育てたトマトを使ったケチャップづくりや味噌づくり、クリスさんは地元女子バスケットボールチームのコーチと、精力的に活動。ときには地元の名湯でリフレッシュしながら、関金でのカントリーライフを謳歌している。

 

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2016年に閉校した旧山守小学校。美しい校舎を交流センターとして活用できないかと夫婦で模索中だ。

 

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旧国鉄倉吉線廃線跡は、関金町内で2人のお気に入りスポット。竹林が線路を囲む幻想的な光景だ。

 

 

●information● 鳥取県倉吉市
南西部に大山(だいせん)を仰ぎ、北部の倉吉平野に都市機能が整った鳥取県中部のまち。かつて城下町・陣屋町として栄え、打吹玉川(うつぶきたまがわ)地区に白壁土蔵群の景観を残す。
<問合せ先>地域づくり支援課 TEL 0858-22-8159

宝島社発行「田舎暮らしの本2019年12月号」掲載