ホーム移住者インタビュー移住体験談子どもは1日中外で元気に遊べ、大人は自然体でいられる場所

移住者インタビュー

子どもは1日中外で元気に遊べ、大人は自然体でいられる場所

地域の人の優しさと海の美しさに移住を決意

「もともと2人ともアウトドア好きで、毎週のように海や雪山へ出かけていたんです。岩美にもよく来ていました」
 そう話すのは、鳥取県岩美町で地域おこし協力隊として活動する横山貴(たか)俊(とし)(35歳)だ。妻の真由(まゆ)さん(34歳)や幸音(ゆきと)くん(4歳)とともに、2017年5月に越してきた。
 貴俊さんは、大阪出身で10年ほどサラリーマンをしていた。真由さんも大阪出身で、スノーボードやサーフィンが趣味。
 2人とも田舎で暮らしたいと思い、静岡や長野、四国などを視察。そんななか岩美町で行われた「いわみ暮らし体験会」に参加したところ、地域の人たちの温かさに触れ、移住を決意した。
 「体験会でみなさんによくしていただき、『ここだな』と思いました。祖父母の家が鳥取市にあり、ときどき鳥取に来ていたことも、岩美町がしっくりきた理由かもしれません」(貴俊さん)
 「岩美の海は本当にきれいで。本州にこんなところがあるんだと感動しました」(真由さん)
 ハンドメード作家としてアクセサリーをネット販売している真由さんは、どこでも仕事ができる。貴俊さんは、地域おこし協力隊として、町内のレストラン 「アルマーレ」で活動することになった。
「当初、ピザ窯をガスで温めていたので、地域の人と協力して山に入り、薪づくりから始めました」
 2人とも、移住者仲間や地域の人たちとすっかり仲良しになっている。

 

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東浜海岸を散歩する横山さん家族。美しい白い砂浜と、青い海が広がる。

 

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楽しそうに砂浜を走る幸音くん。虫のほか、草花を摘んだりするのも大好きだ。

 

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JR西日本の豪華寝台列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の立ち寄り観光先のレストラン「アルマーレ」。貴俊さんはここでピザ担当として働く。

 

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天然石のアクセサリー作家として人気が高い真由さん。

 

 

自然体でいられる場所それが心地いい

 都会っ子だった幸音くんは当初、砂で足が汚れるのを嫌がったりしていたが、今ではすっかり砂浜が大好き。真由さんと一緒に、シュノーケルやSUPなども体験したという。
「保育園から帰ってくると、海で遊んで、それから畑で作業して、一日中外にいます。虫も大好きでカブトムシやクワガタを捕ったり、ホタルも見に行きました」(真由さん)
 海でマリンスポーツをしたり、友達と食事したりと、岩美を満喫している真由さん。貴俊さんは、自然を観察することが好きだという。
「休みには、川の生物をずっと見ていたりしますが、周りの人に怪しまれました(笑)。地元の人にとっては当たり前の光景なので、あまり見ないんでしょうね」
 地域おこし協力隊の卒業後の定着率が100パーセントという、岩美町。貴俊さんも任期終了後も岩美町で暮らしたいという。今後は、自分たちで畑をして、魚も獲って、それを提供する宿を開きたいと話す。そのための物件を、すでに岩美町の東端のエリアで購入した。
「まだ何もしてなくて、課題山積のマイナスからのスタートですが、自分たちで改修して2年後にオープンしたいです」(貴俊さん)
 2人に岩美町のよさを聞いた。「自分たちが自然体でいられる素朴な環境が心地いい」(貴俊さん)
「移住者の人も地域の人も、年齢もばらばらな人たちが、なんとなくゆるーくつながっている。気軽に付き合える感じがいいですね」(真由さん)

 

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キュウリを収穫する。「自分で獲った魚介類や自家野菜を提供する民宿を営む中村さんは、師匠のような存在です」と貴俊さん。

 

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「Beach Cafe & Outdoor"ALOHA"」で海を見ながら昼食。抜群のロケーションだ。

 

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横山さん家族がいま住んでいる家は、町の空き家バンクを活用。都会のときよりかなり広く、掃除が大変だが、住み心地は抜群。

 

 

●information● 鳥取県岩美町
鳥取県の最東端に位置し、山陰海岸ジオパークに属する。青く透明な海、棚田や山々、歴史ある岩井温泉など、海、山、温泉が楽しめる。「いわみ暮らしアドバイザー」のサポートも心強い。
<問合せ先>岩美町地域創生室 TEL  0857-73-1553 

宝島社発行「田舎暮らしの本2019年11月号」掲載