ホーム移住者インタビュー移住体験談米子や鳥取、島根にも出かけやすい立地でドッグカフェをオープン

移住者インタビュー

米子や鳥取、島根にも出かけやすい立地でドッグカフェをオープン

境港出身の店長との縁でトントン拍子に移住・開業

 「いらっしゃいませ」と犬の着ぐるみで楽しそうに出迎えてくれたのは、今井(いまい)(やす)(なり)さん(43歳)。店内のドッグランスペースでは、看板犬のロングコートチワワ3匹とブルドッグ1匹も大歓迎してくれる。JR境港駅から車で8分ほどの「ドッグカフェもふもふ」は、オーナーの今井さんと境港市在住の店長、スタッフ1人で営業。犬連れで訪れて食事やお茶ができるのはもちろん、犬を連れていなくても店の看板犬と触れ合える。屋内ドッグランがあるドッグカフェは山陰初とのこと。今井さんは和歌山県出身で、大阪府の化学工場に勤務していた。店長と知り合いで山陰へよく訪れていたが、愛犬と一緒に入れる店が少なく、不便に感じたことがあった。「それなら、自分たちでつくろうか」という話になり、2017年11月に「ドッグカフェもふもふ」をオープン。当初は、今の場所とは違って、駅の反対側だった。
「最初の店は市内の不動産業者を通して探しました。店の設備などには、市の創業支援補助金を利用しました」
 境港市では、小売業や飲食サービス業を始める場合、上限70万円(補助対象経費の2分の1)が支給される制度がある。今井さんには飲食店の経験がなかったが、店長は経験者だった。一方で、看板犬が接客をするスタイルのドッグカフェを開くのに必要となる動物取扱責任者の資格を、今井さんは持っていた。そのため、開業は比較的容易だった。
 「大変だったのは、ドッグカフェというものを地元の方が知らなかったことですね。そのため看板にも『犬連れでなくても大歓迎!』と書いてあるんです」

 

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店の前で、看板犬のブルドッグ「親分」と今井さん。
「ドッグカフェもふもふ」鳥取県境港市外江町2226-1
TEL 080-6341-0111 土・日・祝祭日10:00~20:00、平日は完全予約制

 

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新メニューのロコモコ丼。単品70 0円、ドリンク付き1000円(税込)。
シフォンケーキは単品400円、ドリンク付き700円(税込)。卵などの素材にこだわり、人も犬も食べられる。

 

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毎年7月にある「みなと祭」。漁船が大漁旗を掲げて境水道をパレードする様子は圧巻。

 

 

お客さんが憩える店にしたい

 常連のお客さんが増えていくにつれ店が手狭に。「お客さまのリクエストにはできる限り応えたいと思っていて。人間の食事も提供してほしい、大きな犬とも触れ合いたいという希望があったんです」
 そんなとき現在の店の大家さんと知り合ったことから移転を決意。元バッティングセンターで、センター部分は駐車場に、店舗は床などを張り替えて2018年7月に再オープンした。ブルドッグが看板犬に加わり、屋内ドッグランも大きくした。
 「日常生活で困ることはありません。大阪に比べて、こちらはみなさんゆとりがあって、住んでいて気持ちがいいですね」
 休日には、大山に足を延ばしたり島根へ出かけたりしている。「境港は、鳥取も島根もどちらにもアクセスがいい。あと海鮮がおいしいです(笑)」
 移転後の経営も順調で、米子、鳥取、島根などのほか、地元のお客さんも増えてきている。
 「今後は、屋外のドッグランをつくり、お店でイベントをしたいですね。お客さま同士が情報交換したりと、みなさんの憩いの場になればと思っています」

 

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今井さんと常連のお客さんたち。看板犬のロングコートチワワ、お客さんのワンちゃんも一緒に。

 

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車で5分ほどのところにある「竜ヶ山公園」で、チワワたちと散歩を楽しむ。「ワンちゃんを遊ばせる場所も多くていいですよ」。

 

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常連さんと談笑する今井さん。優しい人柄からか今井さんファンが多い。

●information● 鳥取県境港市
鳥取県の北西部に位置し、大山を背景に、三方が海に面する。日本有数の漁獲量を誇る境漁港や重要港湾の境港、米子鬼太郎空港を有する。「水木しげるロード」や白砂青松の弓ヶ浜など観光地も多い。
<問合せ先>境港市総務部地域振興課 TEL 0859-47-1024

宝島社発行「田舎暮らしの本2019年2月号」掲載