中村 隆行さん
埼玉から素潜り漁の体験事業に応募し、大山町へ移住。
株式会社「漁師中村」の代表をしながら、大山町移住交流サテライトセンターの責任者として移住者をフォローアップするなど、幅広い分野で活躍中。
Qいきなりですが、移住して生活はどう変わりましたか?
生活は変わりました。大きく違います。収入面でいうと、都会では色んな事をしていて安定的ではなかったのもありますが、いまでは当時の8倍近くあります。もちろん最初からそうだったわけではありませんし、漁師一本ではなく他の仕事も併せてですが。
生活以外では、都会にいたときは他の地域によく遊びに出ていましたが、いまは全然出なくなりましたね。海も近いし、山も近いし、食べ物は美味しいし。何より面白い人が多いし(笑)。
Q移住のキッカケは何でしたか?
小さい頃にジャック・マイヨールに憧れていました。伊豆に住んでいた時期があって、その時に実際に海のあるライフスタイルに触れて、そういう暮らしがしたいなぁと思って移住を考えていました。その時にたまたま、大山町の「素潜り漁師募集」を見かけたのがキッカケです。後にも先にも大山町がそんな募集をしたのはその時くらいじゃないかな(笑)。
そこからはすぐ行動しましたね。連絡して、大山町に足を運んで、実際に役場の人と話したり、地域の方と触れ合ったり、大山町の空気を感じて、本当に最高の環境だなと思って、数カ月で素潜り漁師になりました。それまで素潜り漁なんてしたことなかったんですけどね(笑)。
※ジャック・マイヨール
1976年人類史上初めて素潜りで水深100m以上の潜水記録をつくったフリーダイバー(当時49歳)。映画「グランブルー」(1988リュック・ベッソン監督)など彼をモデルとした映画なども多数存在する。
Q移住されて良かったところは何ですか?
いいことばかりですよ(笑)。
まぁ、移住をすすめる話はどこもそう言うとは思います。もちろん、全部がいいことではないです。困難だって課題だってあります。でも都会と大きく違うのは、それを個人の力で改善していけるところです。実際素潜り漁師になって生活が安定するまでは1年半くらいかかりました。けれど、自分が動けば、その分助けてくれる人と出会えたり、状況を変えたりすることもできます。ここでは自分の生活は自分でつくっていけます。
Q逆に移住されて大変だったことは何ですか?
やりたいことが尽きないこと、ですかね(笑)。
移住してから素潜り漁師としての活動だけではなく、いわゆるまちづくりの活動も地域の方たちと一緒にやってきました。地元の面白い人たちや移住してきた面白い人たちで「築き会」というのを起ち上げまちづくりや仕事づくり、移住の支援などやってきました。大山町は、どんどん面白いことが起きて、面白い人が集まってきていますね。
まちづくりも進んできて、自分はやっぱり海づくりかなと思っていて。やっぱり直に海に潜っていて感じるのは、どんどんどんどん資源が減っているということ。今後は海洋保全的なこともやりたいし、やります。
Q鳥取県・移住した市町村の魅力は何ですか?
食べ物はマジで全然違いますよ。海産物の取れたては本当に想像以上ですよ。ぜひ食べに来てみてください。食文化もそうですが、鳥取県は東西でもともとの文化が違いますし、南北でも海の生活と山の生活でまた違います。決して狭い県ではありませんが、車で30分も走れば全然違う文化や景色があって、その変化を楽しめるのは鳥取の魅力です。
その変化は人もそうで、県内色んなところで色んな面白い人がいます。でも、その人たちはどこかで繋がっていて、100km離れている地域の人でも、名前を出したら知り合いなんてよくあります。そんなどんどん人が繋がっていく、ワクワクするようなコミュニティも魅力ですね。
Q移住者へのメッセージをお願いします
まずは計画を作ることですかね。計画と言っても分厚い資料を作れという話ではなくて、「紙に書く」ということです。紙に書くことで、自分が何を思っているのか整理できますし、整理して具体化すればするほど、実現しやすくなります。自分もそうでした。
あとは、特に自分で事業を起こしたい人向けになっちゃいますが、使えるものは使ったらいいですよ。国や県、市町村でも様々な支援や補助があります。自分のやりたいことと八割合うようであれば活用してください。
と、やっぱり良いなと思ったら足を運んでみることですね。大山町は移住交流サテライトセンターという窓口があって、自分もそこに関わっていますので、気兼ねなく遊びに来てください。ぜひぜひ大山でお会いしましょう!
【動画】中村隆行さん(いいね!とっとり動画)