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移住者インタビュー

同世代の仲間-「地域課題解決に本気で取り組む会社に惚れ込んで鳥取県に移住した若者」

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米子市(西部)

同世代の仲間-「地域課題解決に本気で取り組む会社に惚れ込んで鳥取県に移住した若者」

株式会社中海テレビ放送 未来創造本部 営業部 営業企画課 小柳優さん

インタビュアー:定久絵美

チェーン店が少ない分、際立つ個性的なお店、地域をより良くしようと起業したり活動したりする熱意ある人の多さ、人の温かさなど、鳥取県には田舎だからこその良さがたくさんあります。

 

<小柳優さんのプロフィール>

 

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20代(※取材当時)福岡県出身

中海テレビ放送へ就職を機に鳥取県に移住して7年目。

番組制作の部署にて、番組の企画・取材・編集・原稿作成・出演まですべての工程に携わってきた。また、Chukaiトライセクター・ラボにて県内自治体の施策検討に関する調査業務等に携わってきた。
現在は営業企画課に所属し、地域課題解決のための実証事業や営業推進に向けた顧客分析に取り組んでいる。

 

 

Q. 移住された理由、きっかけを教えてください。

A.地域課題に本気で取り組む「中海テレビ」に入社したくて移住しました。

 

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就職活動時代を振り返る小柳さん

 

学生時代、メディアの仕事を志し全国の企業を受験する中で、地域に根差した中海テレビ放送の姿勢に強く惹かれました。地域課題の解決を掲げる企業は多くありますが、中海テレビ放送は具体的な行動を伴う取り組みを続けている点が特徴的です。番組内で問題提起して、あとは視聴者に委ねるというスタイルにとどまらず、地域の一員として解決に取り組んでいます。例えば中海の水質悪化に際し、団体を立ち上げ、改善するまで20年以上取材を続けた実績があります。このような姿勢に共感し、中海テレビ放送に入社するために、鳥取県への移住を決意しました。

 

Q.お勤め先への入社理由や、普段のお仕事内容について教えてください。

A.企画・制作・発信、すべての工程に関われるのが魅力的で入社しました。現在、日南町や日野町の地域課題解決に向けた取り組みに携わっています。

 

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小柳さんが勤務されている中海テレビ放送の外観

 

当初はアナウンサー志望でしたが、就職活動を通じて、原稿を読むことが中心の仕事よりも、自分に合った役割があると感じました。そこでケーブルテレビに注目し、中海テレビ放送と出会いました。番組制作では企画から編集まで全工程に関わることができ、営業では自治体の課題を直接聞き取って提案できます。働く中で新たな面白さを見出せると確信し、入社を決意しました。現在は、日南町で高齢化に対応した情報伝達システムの実証実験や、日野町で幸福度向上を目指す調査・研究に取り組んでいます。

 

Q.外から見た鳥取県と、実際に住んでみて感じた印象の違いはありますか。

A.砂丘がある田舎というイメージしかありませんでしたが、実は過ごしやすい場所でした。

鳥取県への移住は、県そのものへの憧れよりも仕事を基盤とした決断でした。そのため、当初鳥取県に対して抱いていた印象は「砂丘がある県」、「田舎」等で、慣れない土地での生活に不安もありました。しかし実際に暮らしてみると、案じていたほどの不便さはなく、むしろ生活しやすい環境だと感じるようになりました。

 

Q.今後のキャリアや、これから鳥取県で挑戦したいことを教えてください。

A.形は変わるかもしれませんが、ずっと鳥取県の地域課題解決に貢献していきたいです。

 

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鳥取県で地域貢献したい!という揺るぎない想いを語る小柳さん

 

入社当初は定年まで勤めると漠然と考えていましたが、鳥取県で多くの人と出会う中で、それが唯一の選択肢ではないと思うようになりました。私は福岡県出身ですが、福岡は既に発展した都市であるため、地域貢献の意識は控えめな傾向があると感じます。一方で、鳥取県には地域のために行動する人が多くいます。今年度、営業企画課に異動し視野が広がったこともあり、自分のやりたいことが見つかれば形にとらわれず柔軟に進路を選びたいと考えるようになりました。ただし福岡県に戻るつもりはなく、これまで築いたつながりを生かし、鳥取県の課題解決に貢献したいと考えています。

 

Q.普段の生活や趣味、活動について教えてください。

A.ドライブ、日本酒が好きです。個性的な個人経営の店を開拓するのも楽しいです。

気分転換や、天気の良い日に星を見るために、よくドライブに出かけます。その途中で個人経営の小さな店を見つけ、勇気を出して立ち寄ることもあります。鳥取県はチェーン店の少なさを残念がる声もありますが、個人店の個性が際立ち魅力的だと感じています。また、どぶろくを造られている株式会社上代(かみだい)の遠藤みさとさんとの仕事をきっかけに、日本酒に親しむようになりました。新鮮な魚をあてに、鳥取県の清らかな水で造られた美味しいお酒を楽しんでいます。

 

Q.役に立った鳥取県内の制度・サポートがあれば教えてください。

A.鳥取県未来人材育成奨学金支援助成金がありがたかったです。

鳥取県内で特定の業種に就く人向けの奨学金返済支援制度を利用しました。入社当初はこの制度を知らなかったのですが、会社から案内を受け、Iターンの私も対象であることを知りました。入社から7年間で、返済額の約半分をサポートしてくださり大変ありがたく感じています。最近、鳥取県と一緒にUターンや定住に関する施策を検討する中で、他にも多くの支援制度があることを知り、早く知っていれば自分も活用できたのに…と思いました。より多くの人に周知されることを願っています。

 

Q.地元の方々と関わったエピソードがあれば教えてください。

A.元大工、引退後にパズルを作り続けた高齢男性との温かい交流は忘れられません。

 

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取材を機に出会った方との思い出深いエピソードを教えてくださる小柳さん

 

仕事を通じて多くの地元の方と関わる中で、特に印象深かったのは、大工を引退後、木材で毎日パズルを作り続けていた方との出会いです。家中がパズルで埋まり奥様に叱られるという微笑ましい光景も目にしました。取材は一度だけでしたが、その後も交流が続き、プライベートでも訪問して交流を重ねました。4年前にその方が亡くなった際、取材番組を葬儀で流し、皆で笑顔で見送ったと奥様から伺いました。取材を超えた、交流の温かさが今でも忘れられません。

 

Q.交通や買い物など、生活の利便性はいかがですか。

A.車が無いと困りますが、あればどこへでも行けて便利です。

鳥取県は車がないと不便な場面が多くあります。入社1年目の春はまだ車を持っておらず、他に交通手段がないため、雨の中を自転車で出勤したこともありました。その経験から安くても良いから、車は持っておかなければならないと思い購入しました。今では移動に困ることもなく、ドライブを楽しみながら様々な場所へ出かけ、鳥取県の魅力をより実感できるようになりました。

 

Q.仕事とプライベートはどのようなバランスですか。

A.仕事のお陰でプライベートが充実しています。

 

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中海テレビ放送のロゴを手に記念撮影

 

バランスはあまり取れていませんが、忙しくて大変というよりも、仕事が好きすぎて職場から帰りたくないという感覚です。本屋でも仕事に役立ちそうな本ばかり選んでしまう根っからの仕事人間です。しかし、仕事が自分に合っているからこそ、趣味に熱量を注がなくても、日々を充実させられている実感があります。さらに仕事を通じた繋がりがプライベートに広がることも多くあります。福岡県から知人ゼロで移住しましたが、今では仕事のおかげで人間関係が豊かになり、生活に彩りが出ています。

 

Q.鳥取県の好きな行事やイベント、来て驚いたことや予想外だったことはありますか。

A.がいな祭りの万灯、日野町のねう祭りが好きです。

夏の風物詩、米子市で開催される「がいな祭り」が好きです。参加者が建物と同じ高さの万灯を支える姿は逞しく、練習に励む企業の皆さんの姿にも胸を打たれます。子供万灯を初めて見た時には、小さな体で大きな万灯を懸命に支える姿に涙が出ました。大人が誇らしげに万灯を担ぎ、その姿を見た子供が憧れるという、世代を超えて受け継がれる祭りの素晴らしさを感じます。また、日野町で開催される「ねう祭り」では、町を離れた人も祭りの日に帰郷し、体に染みついた振りを頼りに、皆で盆踊りをする光景に感動しました。また、雪の多さにも驚きましたが、雪かきで助け合う県民の温かさに触れ、鳥取県の魅力を改めて感じています。

 

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★取材した感想★

 

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鳥取県出身の現役大学生の定久さん。ケーブルテレビの切り口から鳥取県の地域課題に取り組まれている小柳さんのお話を噛みしめながら聞いていました。

 

チェーン店が少ない分、存在感を発揮する個性的な店。鳥取県をより良くしようと起業する人の多さ。奨学金返済補助など、行政から手厚く提供される支援制度。雪、そして人の温かさ。幼いころから鳥取県で育ってきた私にとっては、あまりに身近で、当たり前のように思っていたものや、短所のように見えていたものが、実は他県にはない特別な魅力だったと気づかされ、目から鱗が落ちる思いでした。Iターン、Uターン、Jターンでは背景が異なり、魅力や障壁を感じる部分も異なるように思います。生い立ちは違っても「今、鳥取県を好きでいる人」の視点はすべて貴重です。福岡県からIターンされた小柳さんの視点が、私に新たな発見をもたらしたように、自分の知らない角度から見える鳥取県の魅力を知ることは、多くの人にとって、面白くて有意義な経験になると確信しました。鳥取県に対する新鮮な見え方を得ることで、関心度や印象が向上し、最終的には、移住・定住・関係人口創出に繋がって行くのではないかと思いました。

 

もし、私が社会人になったら…「こんなふうに鳥取県で暮らしてみるのもアリかも」

休みの日も仕事のことばかり考えるほど仕事が好き。仕事の人間関係がプライベートにも繋がっている。今後も、今の仕事の経験を生かして、鳥取県の地域課題解決に貢献したい。そうした、小柳さんの仕事への情熱溢れる姿勢に心惹かれるとともに、私も将来、仕事を軸にプライベートを充実させたいという思いが強まりました。
小柳さんがおっしゃるように、鳥取県には心安らぐいいところが多くあります。もちろん、仕事はお金のためと割り切り、休日に鳥取県の良さを満喫するという生き方も選択肢の1つです。しかし、せっかく自然・お店・人に恵まれた地域で暮らすなら、仕事・休みに関係なく鳥取県に貢献しながら楽しむ方がお得です。仕事とプライベートの間に始めからきっちり線を引いてしまっては、面白い人や団体、伝統と出会う機会を逃してしまうかもしれません。将来は小柳さんのように、仕事を通じて出会った人と食事やお酒を楽しみ、気軽に雑談できる関係性を築きたいです。休みの日にもアンテナを張れば、思わぬ仕事のヒントが得られるかもしれません。そのような、仕事とプライベートの相乗効果の先で、温かい鳥取県民の輪の一員として暮らせたらいいなと思います。

※2025/9/1(月)に取材