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移住者インタビュー

同世代の仲間-「大学進学を機に鳥取で働き続ける男性」

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<春山神紀さんのプロフィール>

 

20代(※取材当時)大阪府出身

大学進学で鳥取へ移住

鳥取県内の建設会社 馬野建設株式会社で勤務

 

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Q.移住された理由、きっかけを教えてください

 

A.鳥取県に来たきっかけは大学進学です。

4歳~18歳の高校生まで大阪に住んでいて、大学は鳥取大学、そのまま鳥取県中部の建設業に就職しました。

 

大阪にいる頃から人混みが好きではなかったです。きょろきょろしながら歩くのが大変だから(笑)。大阪でもとても人混みがすごい地域ではなかったのですが、それでも通学路の国道は当たり前に対面合計6車線のところで、少し通学するのがしんどいなと思っていました。

 

なので、田舎暮らしにあこがれがあって、大学探しの時点で地方の大学を見ていました。中国地方の大学のオープンキャンパスを見る中で、鳥取大学がいいなと思って高校2年生の時に鳥取大学を目指すようになりました。そこから鳥取大学を目標に勉強をして、大学に入学しました。

 

次に琴浦町に移住したきっかけは、大学時代にツナガルドボクという活動をしていたことです。ツナガルドボクは鳥取県内の建設業を盛り上げていこう、「鳥取県内っていいよね」を伝える活動をしていた学生団体で、建設業を基盤としたイベントの主催をしていました。イベントを立案して、企画して、実行して、建設業の魅力を発信していました。

 

具体的に、大学生向けには、現場見学会をすることで魅力を発信したり、建設業界で働く社会人の方との飲み会を開いて、お酒が入るので社会人の方々もいろいろ本音をぶちまけるので(笑)そういうので学生と社会人をつなぐとか。

小学生・中学生向けには、コンクリートから石を取り除いたモルタルを使ってスマホスタンドを作ったり、鉄筋を使って傘立てを作ることでものづくりの楽しさを発信したり、建設業の社会人へインタビューをして、それをHPやSNSで発信したりしていました。

 

僕はその団体の代表をしていて、「活動の代表が鳥取県に就職しないのはどうなのかな」と自分の中で思ったので、鳥取県内で就職しようと思うようになりました。

その中で企業を探し、インターンシップに参加して馬野建設を選んだので琴浦町に住んでいます。僕は琴浦町がよかったからここに来たというよりは、鳥取県内の就職先を探していたらたまたま琴浦町に移住したというのが実際のところです。

 

 

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Q.鳥取県に就職し、住み続ける理由はありますか?

 

A.正直言うと具体的にはなくて、就職するにあたって都会でなければ全国どこでも良かったです。

大学1年生のときから大阪に戻る気はなかったので、どこでもいいなというのが大学1年生の時の考え方でした。

 

なぜ鳥取県に来たかと聞かれると、大学1年生の最後にツナガルドボクに入って活動するようになって、たまたま鳥取大学に入学して地域の活動を行っていたからですね。人混みが少ないところがいいと言って田舎に来て、生活していく中で住めば都だし、住んでて楽しいので。海もあるし、山もあるし、ちょこっとだけカラオケとかボウリングのアミューズメント施設もあるし。全然生活は苦にならないので、鳥取でいいかなという気持ちです。(笑)

 

 

Q.馬野建設様への入社理由を教えてください

 

A.まずは地方中小企業だったというところが良かったです。

なので大手の企業にはあまり興味がありませんでした。その理由が、自分があの人数の中で戦い抜ける自信がなかったからです。

 

少人数の中で和気あいあいとしながら徐々に自分の能力を高めていけたらいいなと思って、鳥取県内の地方中小企業を探しました。業界は建設業の中でも監督業のゼネコンに絞っていました。ゼネコン各社の仕事内容は企業によって違いはなく、ほぼ一緒です。なので、他にどういった要素で入社したい企業を決めるのかとなったときに、自分はそこで働いている人たちの雰囲気を見て決めようと考えました。

 

行きたい企業の全てのインターンシップに行きました。会社説明会では人事担当の人が出てきて話しているだけで、会社の雰囲気は分からないのでインターンシップに行くしかないと思って。1日や2日では雰囲気は分からないので、最低でも1週間は行きたいと考えて、1週間以上受け入れているインターンシップに参加しました。

 

そこで現場作業を教わりながら一緒に仕事をして、どういった雰囲気で仕事をしているのかを見ていました。具体的には、人事の人と現場の人が話しているところを見て、社内に対する話し方と社外に対する話し方の違いや現場担当の人と作業員の人たちの雰囲気やコミュニケーションのとり方を見ていました。そういった部分は人間関係を構築する上で大切だと思ったので、インターンシップを経て一番この人達と仕事をしたいなと思ったのが馬野建設だったので入社を決めました。

 

自分のコミュニケーションの得意不得意を考えた中で一番しっくり来たのが馬野建設でした。馬野建設の雰囲気は質問がしやすい雰囲気でした。今の子たちは見て学ぶか、頑張って聞いて学ぶかの2つで学んでいかなければならない。でも、あまり見ないし聞かないことが多い。見ることは自分でもどうにかなるけど、聞くことは雰囲気が整ってないと聞けないので、聞きやすい環境かどうかは自分の中で大事かなと思いました。

 

やっぱり聞かないと仕事は進まないので、分からないまま放置してた方が、逆に大きなミスに繋がることもあります。もちろん、先輩が忙しそうで、聞きづらいなと思うこともありますが、今の現場は先輩が2、3人いるので、状況に合わせていろんな先輩に聞いて仕事を進めています。

                                         

 

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春山さんが勤める馬野建設株式会社の社屋

 

 

Q.春山さんが担当している現在のお仕事内容を教えてください。また、仕事をする上で気をつけていることはありますか?

 

A.今は、北条道路の橋梁下部工事、簡単に言うと橋の足を作っている工事の現場監督の担当技術者という立場で仕事をしています。

現場監督にも立場がいくつかあって、一番トップが監理技術者、次が現場代理人、その次が担当技術者となっていて、その担当技術者という立場で現場監督を行っています。

 

働く上で心がけていることは、聞きやすい雰囲気がいいなと思って入社した中で、休憩時間とかのたわいのない話にできるだけ参加することを心がけています。

 

やっぱり日々のコミュニケーションが大切というのは昔からの考え方だと思うんですけど、タバコミュニケーションと言われるように、僕はタバコは吸わないんですけど、喫煙所の近くにはなるべくいるようにして、日頃から会話しやすいように心がけています。休憩時間は1人がいいという人もいますけど、僕はそれはもったいないと思うので。

 

 

Q.休日はどのような過ごし方をされていますか?

 

A.定時の仕事なので、平日は仕事中心の生活を送っていますが、休日は趣味に時間を使っています。

趣味はいくつかあって、1つ目が小学校2年生から今でも続けている競技かるたです。ただ、住んでいる琴浦町には競技かるたをやっている団体がないので、米子か鳥取まで出て競技かるたをしています。大学のときに競技かるたサークルに所属していたので、そのときの後輩たちとかるたの活動を続けています。

あとは、鳥取県かるた協会が主催している練習会があってそこにも参加しています。

 

2つ目は、バドミントンをしています。地域の体育館解放で、初心者から打てる人まで幅広く、わいわいとやりたい人達が集まるバドミントンに参加してます。琴浦町の体育館開放や湯梨浜町の体育館開放に行くことが多いです。大阪とか都会に比べたら人数が少ないですけど、4人~10人程が集まってバドミントンしてます。人が少ない分休憩の時間がなく、コートは使い続けられるけれど、今はずっとやってると体力がしんどいので、高校生のときにずっと使いたかったですね(笑)

 

去年始めたゴルフが3つ目の趣味です。休日は打ちっ放しの練習に行ったり、会社の先輩とゴルフ場に行ったりしてます。ゴルフは地域で、というより社内のゴルフコミュニティに参加することが多いです。

 

 

Q.鳥取の好きなところ、いいところを教えてください

 

A.一言で言うと自然を感じられる、自分が付き合いたい、面白い、まったりした人たちがいる、という部分だなと思います。

山とか海がその辺にポイポイとあるし。大阪の海に入りたいかと言われたら僕は入りたくないから、やっぱりそういう自然はいいなと思いますね。一方でチェーン店とかもあるから飯には困らん(笑)

 

 

 

30分ほどで海〜山にアクセスできる琴浦町。

身近な自然の魅力を身をもって感じる

 

 

でも「鳥取」のと言われると難しいな…自分が知っている町というのが大阪と鳥取しかなくて、こういう話のときって田舎と田舎で比べないと分かりずらいなと僕は思っていて。例えば、近くで言うと「島根と鳥取ってどう違う?」って聞かれたときに、両方知った上で鳥取についていいなと思う点を話せたら、「田舎っていいよね」ではなく、「鳥取って

いいよね」という話になる。

 

でも僕が話したのは「田舎っていいよね」という話にしかならない。比べちゃいけない部分ももちろんあるけど、優劣をつけないと、なぜ鳥取に行くかという自分の中での理由探しが難しい。「鳥取のこれがいいよね」って言える何かが欲しいな、といつも移住定住関連の話を聞きながら思います。

 

島根でも、山口でも広島のはずれたところでも本当にいろいろなところに自然はある。僕は人口最小県だから人付き合いが小さいコミュニティで、自分がやりたいことができるのがいい所だなとは思います。けれど、人口が少ない土地に行けば鳥取でなくてもそれはできる。

 

だから地方の魅力を発信している人達や学生に希望というかお願いがあります。田舎の良さは多分他の県に行ってもその体験はできるけど、鳥取ならではのものはなんだったのか?という点をもっと学生のみなさんに考えて欲しいし、そのアンサーを見つけてもらえると社会人として、とても助かります。僕は学生のとき答えを出せなかったので(笑)

 

学生の時から鳥取の魅力はなんだろうと考えてたけど、やっぱり難しいなと感じてて。結局はそこに自分がやりたいこと、一緒に活動をしたい人たちがいるかどうかになってくるのかな。ロケーションというよりか、これからは人になっていくと思っています。関係人口という選択肢もあるけど、やっぱり移住して欲しい、定住して欲しいとなったとき、人と面と向かって会って良さを伝えていけるというのが大切なのかなと。

 

人が少ないからこそ、その人に時間をかけてフォーカスできるという部分もあるし、鳥取県内のいろんな魅力的な人のコミュニティをどんどん発信して、その人にうまくつながれてより絡んで行くと鳥取の良さが深まっていくのかなと思っています。 

 

 

 

台風につき、残念ながら対面インタビューは断念でしたが、とても丁寧に答えてくださりインタビュー学生全員に新たな視点が増えました!

 

 

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<春山さんに教えてもらった、おすすめのとっとりのやわらかいインフラを体験してみた!>

 

美味しいコーヒー(カフェ)

ワク珈琲

琴浦町赤碕にある珈琲屋さん。雑味がなく、苦味も抑えめですっきり飲みやすい!注文したら目の前でマスターが1つ1つ丁寧にドリップしてくださる。テイクアウトもOKなので、海が目の前にあってロケーションも最高◎

 

   

 

 

最高のパン

●BAKERY EVERY TABLE

お財布に優しいスマイル価格均一で、種類も豊富!親しみやすい安定した美味しさで、ついついどれを買おうか迷ってしまうほど。スーパーや100円ショップ、飲食店などが集まる琴浦町八橋のショッピングセンターアプト内にあるので、立地が良いのもポイント。

 

   

 

 

<春山さんイチオシ!鳥取の豊かなインフラを体感してみた!>

 

 

豊かな自然 〜八橋海岸〜(海水浴場は2021年から休止中)

 

八橋海岸は琴浦町にある白い砂浜のきれいな海岸です。白い砂浜から見える透き通った青色の海とのコントラストが美しく、左右を見ても遮るものが何もなにもなくどこまでも続く海は、いつまでも見ていられる気がします。

 

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豊かな食 〜琴浦サーモン〜

 

いわゆる琴浦サーモンと言われるとっとり琴浦グランサーモンは、琴浦町で大山からの良質な地下水で養殖されたサーモン。抑えめの脂と、しっかりとした身質が特徴の美味しいサーモンです。

右の写真は鳥取県琴浦町の「道の駅 琴の浦」にある海鮮丼屋の「海鮮料理きわみ」でいただいた、琴浦サーモンを使った海鮮丼。きわみでは、近くの日本海で獲れた魚や琴浦サーモンの海鮮丼が食べられます。ここの海鮮丼はメニューの写真からは想像できないほどボリュームたっぷりで、満足度マックスになること間違いなしです。

 

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★取材した感想★

 

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丁寧な取材に食も観光も遊びも!鳥取の楽しいに全力投球した夏でした◎

 

今回春山さんに取材させていただいた中で、特に印象に残っているのは「鳥取でいいかな」という言葉です。一見ネガティブな言葉にも見えますが、鳥取県への移住を考える人を増やすためには、ポジティブな意味で重要なキーワードなのではないかと思います。

 

取材の中で春山さんもおっしゃっていましたが、大学進学や仕事の関係で1度鳥取に来た人が、自然が都会より多いし、特に不便はないし、楽しいから「鳥取でいいかな」と思ってもらえる場所であれば、より鳥取に住み続ける人が増えていくのではないかと感じました。

 

そして、春山さんがすでにそれを感じている、ということは鳥取には今もその要素があるのだと思います。今回の記事を通して鳥取のそうした部分を少しでも伝えられたらと思っています。

 

もし、私が社会人になったら…

「こんな風に鳥取で暮らしてみるのもアリかも」

 

春山さんの取材を通して、休日の趣味の時間が充実していることに驚きました。私はまだ学生ですが、自分が社会人になって働く姿を考えたとき、きっと春山さんのように趣味には没頭してないなと感じました。

 

今住んでいる東京では、趣味に没頭するには他にいろいろなものがありすぎる気がします。だからこそ、もし鳥取に住むとしたら、趣味に没頭できる暮らしをしてみたいです。

 

春山さんがゴルフを始めたみたいに、鳥取でできた友達と楽しめる趣味を始めたり、それをきっかけにまたいろいろな人に出会ったり、出会った人と仲良くなったり。そうやって仲良くなった友達と鳥取にある最高の自然を感じて、美味しいご飯を食べて、それを原動力にまた仕事を頑張って、休日にはまた趣味に没頭して。

 

鳥取じゃなくてもできるけど、鳥取だったらもっといい、そんな時間を過ごしてみたいなと思いました。