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移住者インタビュー

鳥取の味を、自分たちの手で。大山乳業で見つけた理想の働き方と暮らし

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 私たちは白バラ牛乳で知られる大山乳業農業協同組合を訪ねました。同組合は1946年(昭和21年)の設立以来、「搾った生乳を自分たちの手でおいしい製品にして届けたい」という熱い想いを大切に、牛乳やヨーグルト、アイスクリームなどの製造・販売を一貫して行っています。代表的なブランド「白バラ牛乳」は、鳥取県産の生乳だけを使い、すっきりとした味わいとやさしい甘みが特徴で、長年にわたって地元の人々に愛され、今では「鳥取の味」として全国にも知られる存在となっています。

 まずは、工場を見学をさせていただき、普段目にすることのない製造機械や製品が作られる様子を拝見しました。それは、驚きと発見の連続でした。試飲でいただいた白バラ牛乳は、鳥取県産生乳を100%使用しているため、非常にコクがありながらも後味がすっきりとしており、印象に残る味わいでした。

 今回お話を伺ったのは、製品開発センターで活躍されている山川さんです。山川さんは一度地元を離れた後、再び鳥取に戻って働く「Uターン」を選択されました。本記事では、山川さんがUターンを選ばれた経緯や、地元で働くメリットについて紹介します。

 

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◆ Uターンを選ばれた経緯

 山川さんは就職活動において、「自分や周りの人を笑顔にできるものを開発したい」という思いから食品業界を志望しました。形として日常生活の中で自らの成果が見える食品開発に魅力を感じ、特に、幼少期から親しんできた「白バラ牛乳」が大好きで、その味を生み出す大山乳業で働きたいと考えたそうです。都市部の企業からも内定をもらっていましたが、ご家族が鳥取にいること、生活面での安心感を重視した結果、地元で働くことで仕事のストレスを和らげられると考え、Uターン就職を決意したと山川さんは振り返ります。

 

◆ 不便さを上回る「快適さ」と「穏やかさ」

 鳥取にUターンしてまず感じたのは、交通の不便さでした。「鳥取県は、正直言って公共交通機関があまり充実していない」と率直な感想を述べられました。とはいえ、車を持っていればそこまで困ることはないとのことで、バスや電車は普段から頻繁に使うわけではなく、必要なときにだけ利用する程度だと述べられました。「本当に山の奥とかでなければ、ある程度の交通手段はあると思う。ただ、終電とか終バスが早いのはちょっと不便で、飲み会のあとなんかは“どうやって帰ろうかな”と考えてしまう」とのことでした。しかし、その一方で「渋滞がほとんどなく、道が空いていて運転しやすいのは、車社会ならではの快適さです」と笑顔で話されていました。

 また、都会との環境の違いについても、大きなメリットを感じているとのことでした。都会では人や物が多く、歩いているだけで様々な情報が目や耳に入ってくるため、知らぬ間に疲労を感じることがあるそうです。一方、鳥取のように自然が豊かな地域では、緑に囲まれ、風の音など心地よい自然の音を感じながら過ごすことができ、リラックスできると述べられました。自然豊かな地域で働くことには、仕事で感じるストレスを軽減し、穏やかな気持ちで生活できるという利点があるとのことでした。

 

◆ 鳥取ならではの「人の温かさ」と「安心感」

 山川さんは、鳥取で暮らす強みとして「人柄の良さ」を挙げられました。山陰地方の人々は非常に穏やかで、普段は控えめながらも、困っている人には積極的に手を差し伸べる協力的な人が多いとのことでした。また、都会と比べて町全体の情報量が少なく、落ち着いた環境で過ごせる点も鳥取の魅力の一つであるとも述べられました。

 また、山と海の両方に恵まれており、自然の中で多様なアクティビティを楽しめることも鳥取の魅力の一つとのことです。実際に、周囲にはサーフィンや釣り、登山やキャンプを楽しむ人が多く、アウトドア好きには理想的な環境であるとのことでした。さらに、自然災害が少ない点も魅力の一つです。中国山地の北側に位置するため、台風がそれることが多く、地盤も比較的強固であるため土砂災害も起こりにくい。山川さんは「高校生の頃は台風がそれて休校にならないのが少し残念だったが、今となっては仕事をする上でありがたい環境だと思う」と、ユーモアを交えてお話しくださいました。

 

◆ 山川さんのイチオシ

 山川さんは、前年に担当した「白バラ牛乳シュークリーム」と「白バラコーヒーシュークリーム」を自身のイチオシ商品として挙げられました。リニューアルでは、牛乳の風味をより感じられるよう中身を改良しており、味や品質の細部までこだわった製品に仕上げたとのことです。こうして完成した商品が実際にスーパーの店頭に並んでいるのを目にすると、大きなやりがいと達成感を感じられるそうです。

 商品の開発には、多くの工程が必要です。デザインの作成や確認、社内での修正作業、必要書類の作成などを含めると、企画開始から工場での製造まで半年以上かかることもあるそうです。山川さんは、こうした時間をかけることで、品質や安全性を守りながら、より魅力的な商品を世に送り出すことができると考えています。

 また、リニューアルにおけるアイデアの出し方については、既存製品のどこがお客様に支持されているかを重視されるそうです。そうした部分は維持しつつ、改善できる部分を工夫することで、古くからのお客様にも新しい魅力を感じてもらえる商品開発を心がけているとのことでした。このように、パッケージや中身の仕様まで関わることで、開発者としての達成感や仕事の面白さを実感できるのが、食品メーカーでの仕事の魅力であると述べられました。

 

◆ 今後のキャリア展望

 山川さんは今後のキャリアについて「まずは知識と経験をしっかり身につけたい」と語られました。入社3年目となる現在は製品開発センターに所属しており、1年目は製造部で工場業務を担当し、2年目から現在の部署に配属されたとのことです。先輩職員と比べて知識不足を感じる場面も多くあるので、今後は周囲の意見を積極的に取り入れながら学びを深めていきたいと述べられました。将来的には「大山乳業の生乳の良さが伝わる製品を開発したい」との目標を持っており、自らの開発したアイスをきっかけに他の製品にも興味を持ってもらい、会社全体のファンを増やしていきたいと語られました。

 

◆ 若い世代へのメッセージ

 最後に、Uターンを考えている若い世代や鳥取での就職に関心を持つ人々へ向けて、次のようなメッセージをいただきました。「一度地元を離れることで、当たり前だった環境や人の温かさといった地元の良さに改めて気づくことができます。都会の生活に疲れや不安を感じている方にとって、自然豊かな環境で穏やかに暮らすことは、気持ちを落ち着かせ、ストレスを軽減する大きな助けになるはずです」。

 

[発言は意図を変えない範囲で要約しています]

 

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