大阪府から鳥取県に移住し、働きながら子育てをしている奥田あすか(おくだあすか)さん。関西圏でさまざまな仕事を経験したのち、パートナーの異動を機に鳥取県に移りすまれました。現在は、損保ジャパンパートナーズで営業事務として働いておられます。新しい環境での生活についてじっくりとお話を伺いました。

■夫の転勤で「知らない土地」へ
奥田さんは福井県のご出身です。 進学を機に大阪へ移り住み、京都のホテル勤務や派遣職など、20代を通して様々な仕事を経験されてきました。 結婚・出産を経て関西での暮らしが安定しつつあった頃、パートナーの転勤が決まり、家族で鳥取へ移住することになりました。
パートナーの地元とはいえ、奥田さん自身はほとんど鳥取に縁がなく、鳥取に来ることについて、当初は不安に感じておられました。 しかし、実際に暮らしてみるとその不安は次第に消えていきました。とくにパートナーの妹さんと仲が良く、楽しく過ごされているそうです。
■「楽しい」と思える仕事をもう一度
大阪時代に結婚・出産を経験した奥田さん。ホテル業を離職後は、派遣の職業を続けていたそうです。ライフイベントに合わせて職を変えてこられたそうですが、30代に入られたこともあり、これまでのように職を転々とすることは難しいと感じられたそうです。だからこそ、自分が「楽しい」と思える仕事に就きたいと考えられました。そこで奥田さんが思い浮かべたのが、20代の頃に経験した「パソコンを使う仕事」でした。パートナーの妹夫婦を通じて鳥取ふるさと定住機構へ相談し、現在勤めている損保ジャパンパートナーズを紹介されました。少人数の職場ながら働きやすく、定時で帰れる環境が整っているため、子育てとの両立もしやすいとのことです。「ここではできれば長く働きたい」とお話しされていました。
■初めて聞いた鳥取弁
関西圏で長く働いてきた経験のある奥田さんにとって、まず印象に残ったのは「鳥取弁」だったそうです。現在の職場はお客様と親しく会話する機会が多く、大阪で働いていた時に比べて鳥取弁でフランクに話す人が多いと感じられたそうです。なかでも特に鳥取弁が強い社員による「鳥取弁講座」が自然と始まることもあるそうです。
一方で、Iターンゆえに鳥取県民のお客様からの電話が聞き取れず困ることもあるそうです。でも、そんな時はすぐに同僚が駆け付け、フォローしてくれます。「すごく温かい職場だなと思います」とお話しされていました。
日常的に鳥取弁に触れることが多くなった奥田さんですが、特に印象的だった言葉を尋ねると、「あっとろしい」(恐ろしい・びっくりした)や、「たいぎい」(面倒くさい)といった言葉を教えてくださいました。 特に、「たいぎい」はストレートに「めんどうくさい」と言うよりも柔らかく、かわいらしい響きがあり、嫌な言い方に聞こえないところが気に入っているそうです。
■自分に合った暮らし
奥田さんは地方出身で、進学をきっかけに関西圏で暮らすなど、これまでさまざまな地域を転々としてこられました。関西で働いていたころは、退勤時間が不規則で「疲れた」と感じることも多かったそうです。それに対して、鳥取に移住してからは、規則正しい生活を送れるようになった点が、鳥取で暮らす魅力の一つだとお話しされていました。毎日同じ時間に起き、同じリズムで行動できることで、次の日がイメージしやすく、ストレスも減ったそうです。
他にも、鳥取の大きな魅力として子育て環境の快適さも挙げておられました。大阪の子育て支援センターでは子どもの遊べるスペースが限られていましたが、鳥取では子供がのびのびと駆け回れるほどの広さがあり、親子ともに居心地良く過ごせているとおっしゃられていました。また、奥田さんはもともと商業施設「イオン」が大好きで、大阪に住んでいた頃もよく足を運んでいたそうです。 そのため、鳥取にもイオンがあることが大満足だとのことでした。 仕事とプライベートの両方で充実した日々を送る今、「鳥取での暮らしは自分に合っていた」と感じておられ、移住して本当によかったと語られました。
■「車社会」に驚き。でも快適
大阪で暮らしていた頃は、どこへ行くにも電車移動が中心だった奥田さんですが、鳥取に移住し「車社会」であることに驚きを感じられたそうです。大阪ではベビーカーや荷物を抱えての移動がかなり大変で、改札からホームまで行くだけでも一苦労でしたが、車移動が中心の鳥取へ移住してからは、家を出て車に子どもを乗せて保育園へ向かい、そのまま車で出勤するという流れがスムーズにできるようになったそうです。大阪なら車で20~30分程度かかる距離も、鳥取では10~15分で着くことが多く、移動がぐっと楽になったといいます。 また、ほとんどの道路が二車線のため、混雑も少なく、とても車で走りやすいそうです。
休日には家族で車に乗り、大好きなイオンへ出かけるのが定番とのことでした。駐車場がとても広く、しかも無料で利用できます。一方で驚いたのは、映画館事情でした。大きなスクリーンのある映画館へ行こうとすると、車で一時間半ほどかかると知り、移住当初は衝撃を受けられたといいます。
■今後の目標は「家庭との両立」
来年度から年少になる娘さんを育てながら、フルタイムで働く奥田さんは、「できるだけ早く迎えに行ってあげたいし、できれば長く一緒にいてあげたい」と、仕事と家庭の両立に日々奮闘されています。時間に追われる日も多いですが、そのリズムだけは崩したくないとのことでした。
そんな奥田さんの次の目標は、課長代理へのキャリアアップだそうです。 役職に必要な資格はたくさんあり、難しいものもありますが、学ぶこと自体に前向きに取り組めているとお話しされました。新しい知識が増えていく感覚が楽しく、苦手意識を持たずに取り組めている点に、自身でも驚かれているようです。
学生時代は勉強が得意ではなく、机に向かうことに苦痛を感じていたそうですが、転職の際に必要となったSPI試験の勉強をきっかけに、「自分のやりたいことのために学ぶ」ことの楽しさに気づいたとのことでした。年齢や環境の変化もあり、主体的に学ぶ姿勢が自然と身に付いたと語っておられました。
■子育てする女性と若い世代へ
子育ては大変な部分もありますが、「まあいっか」と思える時に楽になる。やるべきことを細かく決めて行動することよりも、力を抜いてできることが一番いい。同じように子育てをする女性に向けて、奥田さんはそのようにお話しされていました。「子どもは親が笑っているほうが元気に育つ」と実感されているそうです。自分に合った笑顔でいられる子育て方法を探すことが、自分にも子どもにも良いのではないかとお話しされました。
最後に、私たち若い世代に向けたアドバイスとして、「いろいろやりたいことをやってみて、自分に合うものを見つけてみたらいい」との言葉をいただきました。ホテル業から現在の事務職まで、さまざまな職を経験してきた奥田さんは、「自分に合った職を見つけ、楽しんで仕事ができること、楽しんで勉強ができること。そういうものを見つけられると自然とキャリアにもつながっていく」と語られました。
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このプロジェクトを通して、私たちは多様な働き方や生き方に触れることができました。奥田さんのお話から、視野を広げて自分に合うものを探すことの大切さを学びました。鳥取での暮らしを楽しみながら仕事と家庭を両立する姿はとても印象的で、自分に合った生き方を見つけることの大切さを改めて感じました。今回の経験は、今後の進路を考える上で貴重な学びとなりました。
※発言は意図を変えない範囲で要約しています。

〈奥田 あすか(おくだ あすか)さん プロフィール〉
福井県出身。大阪の専門学校を卒業後、京都のホテル勤務やコールセンター管理業務など関西圏でさまざまな職種を経験。大阪での結婚・出産を経て、パートナーの異動を機に鳥取へ移住。鳥取ふるさと定住機構の紹介を通じて損保ジャパンパートナーズに入社し、営業事務として働きながら子育てと仕事を両立している。


