ふるさと鳥取県定住機構
ふるさと鳥取県定住機構

箱木功(はこぎいさお)さんIターン


前の仕事は午前様になることがよくあってね。
忙しいことは、そんなに苦にならないんだけれど、それよりも、この生活を続けていて良いのかなっていうのが頭にあって…。


妻の実家が畜産農家なんですよ。それで、その様子とか見ていたら、「農業ってなんかいいなぁ」って漠然と感じることがあって、そういう暮らしも良いと思うようになったんですよね。


とは言っても、特に何も決めていなかったし、何をしようかというよりは何ができるんだろうと思って、まずは情報収集から始めました。この時にはどこに行くかも決めていなかったしね。


だから、まずは「新・農業人フェア」に行って、いろいろな県のブースで話を聞いたり、関連雑誌を読んでみたり。あと専門学校がしている「就農準備校」に行って学んでみたり。


で、なんとなくなんですけど、鳥取県に気持ちが向いたんですよね。ぼくは神戸出身で妻は広島出身で、ちょうど中間みたいな(笑)「鳥取ならば」って夫婦で意見が一致したんです。もちろん、それだけじゃないですよ。鳥取県には何度か観光で来ていて、「風光明媚」という印象が強かったことも理由のひとつと思います。


それから、「鳥取県農業担い手育成基金(現鳥取県農業農村担い手育成機構)」に相談に行ったり、梨農家での宿泊研修を2回体験したり、鳥取県の支援制度を調べたりして、移住を決めました。鳥取県の制度が自分には良かったんですよね。あ、そうそう! あと梨が好きなんですよ。(笑)


情報収集を始めてから約1年半後に鳥取県旧東伯町(現・琴浦町)に移住しました。「田舎暮らし体験事業(現・鳥取生活体験事業)」を利用して鳥取県へ移住したので、1年間は家族四人で月々約20万円を助成を受けることができました。


だいぶ助かりましたが、妻は農業の厳しさも難しさもよく知っていましたから、不安は変わらなかったと思いますよ。周りのみんなも「梨は大変だよ」って口を揃えて言うし。


でも、なんとかできるんじゃないかって思ったんですよね。


最初の1年は、旧東伯町(現琴浦町)の旧東伯農協のモデル果樹園で農業体験をしました。


この農地にはまだ梨の樹が無く、その準備から始め、12月に苗木を植えました。梨の収穫ができるようなるには約3年かかります。だから、農業体験中に自分が植樹した梨を収穫することは無かったですけど、他の梨園の手伝いで、初めて梨を収穫した時に「あ~いいな~」って思いました。


それとね、梨園から帰る時に見える風景がいいんですよ。目の前に広がる緑の梨園、その向こうに広がる日本海の青い海。
で、また「あ~いいな~」って(笑)


1年間の研修を終えた後、2年間は農協に臨時職員として勤務、その後、農協から農地・機械・建物などをリースして本格的に農業を始めました。リースだったので、初期導入費は少なくて済みましたよ。


自分たちで食べる分のお米も作っています。子供たちが小さい頃は一緒に田植えをしていましたね。今は大きくなっちゃったから部活とかで忙しくなってなかなか一緒にできないんだけど、楽しそうに地元の学校通っているから、それはそれで嬉しいですね。


今、気になることは、人材確保ですね。短期間に済ませたい作業の時には人手がどうしても必要になるんですけど、他の梨園も同じような状況であって。だから、人集めのサポートがあると便利だろうな、と思うことがあります。自分たちはギリギリ間に合っているのですけど、急に体調を崩して休むこともあるだろうし、そうなると作業日数延びたり…。新しく就農を始めた人もそういうことが心配だって話していたしね。


それと、借り受けた農地が自分が実際農業体験をした梨園なので、まだ樹が若いんですよ。だから、収穫量が少なくてね。最初の年は収穫が少ない上、小振りだったので収入が少なかったです。2年目は良い出来だったんですが、3年目は2年目と収穫量は同じでも小振りだったりで価格が低かったり…。


正直まだ安定しているとは言えません。でも、良い梨が出来ると嬉しいんですよね。成長途中の樹とともに自分も勉強しながらこれから良いものを作り続けていきたいと思っていますよ。

うちの農園にも就農希望者が見学に来られたりするんで、その人たちにも伝えているのが、「安易な気持ちで始めないように。中途半端な気持ちなら止めた方がいい」ということ。また、家族連れなら2・3年は暮らせるような蓄えを持っていた方が良い。


そして、助成をあてにし過ぎないこと。おんぶに抱っこの気持ちの人は大抵農業をやめて帰ってしまいます。本来は自分のお金ですべき事を、助成があるのでありがたく利用しているくらいがいい。


農業は厳しいです。手を抜こうと思えばいくらでも抜くこともできますが、自分はそうしたくない。なぜなら、自分が手を掛けてがんばった分だけの成果が目に見えるから。


就農したい人は、「やる気」を持ってがんばってください!

2009年5月取材


Twitter

  • facebook
  • LINE@
ふるさと鳥取県定住機構

〒680-0846 鳥取市扇町7鳥取フコク生命駅前ビル1階
TEL0857-24-4740 FAX0857-24-4736

ふるさと鳥取県定住機構TOPへ