米子市出身。千葉県の大学に進学し、2009年に東京都で医療器材の滅菌などのサービスを提供する会社に就職。結婚のタイミングでUターンを検討し始め、家庭と仕事を両立できる勤務形態であること、料理作りが趣味で野菜や果物を扱う業務内容に興味を持ったことから、2017年4月に東亜青果株式会社に就職する。米子市内で妻と子どもと3人暮らし。
都会での生活は、通勤時間が長くて子育て環境の不安が多く、家庭と仕事を両立するのは難しいと思い、Uターンを決意しました。現在の職場は、夕方には帰宅できるので、子どもを保育園に迎えに行って一緒に遊んだり、晩ご飯の支度をして家族で食卓を囲んだりする時間ができました。これからも仕事の時間対効果を上げ、就業時間内にきっちりといい仕事をして、家族との時間を大切にしていきたいです。
果実部でバナナの『色付け加工』と販売を担当しています。色付け加工とは、緑色の未熟な状態で輸入されてきたバナナを、黄色く甘く仕上げる作業のことです。東亜青果では、より鮮度が高くおいしいバナナを地域に届けるため、自社で音楽熟成による色付け加工を行っています。朝4時半に出勤し、競りなどで確保した新鮮な果物を小売店に卸しています。
人の生活に欠かせない「食」というインフラの一つに深く関わり、日々その需要を感じることができます。いかなる状況でも食べ物の流通を止めるわけにはいきません。その貴重な役割を担っているという責任感がやりがいにつながっています。また、市場に並ぶ野菜や果物の変化から、間近で季節の移ろいが感じられて、風情のある生活ができています。
米子市に来てから妻も就職し、出産後も仕事を続けているので、晩ご飯は早く帰宅できる自分が作ることが多いです。青果市場に勤めていることで、旬の野菜を意識するようになりました。新鮮な食材を自分で選んで、お味噌汁やサラダ、カレー、パスタ、炒め物などを作っています。家族がおいしそうに食べてくれるとうれしいです。
Uターン前の就職活動の際は、ふるさと鳥取県定住機構の交通費の助成などを利用することができ、大変助かりました。しかし、移住した後も家族に県外出身者がいると、帰省の移動にかかる費用が高額になることがあると思います。実際、千葉県出身の私の妻が里帰り出産をした際、私も出産までの間に4回程千葉県と鳥取県を往復したため、交通費の負担が多く大変でした。就職活動時の交通費助成と同じように、県外から鳥取県に移住した人を対象とした里帰り費用の助成などもあったら、移住を検討する人がさらに増えるのではないかと思います。
Uターン前は、家から最寄り駅まで20分歩いて、満員電車に45分乗り、また駅から20分歩いて職場に通っていました。今は自宅から歩いて5分で職場に着きます。子どもの保育園も車で15分ほどの場所にあり、都会と比べて移動のストレスは大幅に減りました。
青果物(野菜・果実)、花卉の卸売業を行なっています。青果物の卸売業は、農家や農協などの生産者とスーパーや小売店との間にある業態で、生産から消費の流れを支える重要な役割を担っています。また、氷温貯蔵や音楽熟成、自社工場での食品加工、パティシエによるスイーツ販売など、新しいことにも積極的に挑戦しています。
全国で初めて卸売市場内での売買情報を携帯端末PCからホストコンピュータへ接続するシステムを構築し、業務の迅速化・省力化・堅実性を追及しています。生産側と小売側の双方に喜んでもらえる販売を心掛け、取引を通じて信頼関係を築けた時の満足感は大きく、やりがいを感じられる仕事です。
入社前は野菜や果物のことをよく知らない人がほとんどだと思います。市場の仕事は朝早いですが、従来の勤務時間を見直す働き方改革にも取り組んでいます。食に関心がある方や地元に貢献したい方は積極的にチャンレジしてもらいたいです。東亜青果株式会社 常務取締役 西田 寛