北海道出身ですが、札幌市近隣の住宅街で育ったので、北海道でイメージされるような広大な自然とはあまり縁がありませんでした。日南町に来て、春の芽吹きや秋の紅葉など四季の移ろいを感じながら生活しています。今、町内に借りて住んでいる一軒家の庭には梅と山椒の木が生えていて「実がなる木がある家に住みたい」という願いが叶いました。夜は満天の星空に感動しています。
林業は大きく分けて、木を切り木材団地などに搬出する林産と、苗木を植えて木を育てる造林という2つの仕事があります。造林班の一員として、山の草を刈り整地して、苗木を1本ずつ植え、成長に合わせて下草刈りや雪で倒れた苗を直す雪起こし、枝打ち、間伐など1年間を通じてさまざまな作業を行い、木が健全に育つ環境を整えています。
造林の仕事は、常に自分の足で山中を移動するので体力的につらい時もありますが、その分、外で食べるお弁当の味は格別で、木陰で横になるのも最高に気持ちいいです。下草刈り作業を終えて苗木がきれいに並んでいる様子を見ると、大きな達成感と充実感が得られます。これからもっと作業に慣れて、自分の仕事に自信が持てるようになりたいです。
4歳のころから書道をしています。今は仕事に慣れるのに精いっぱいで余裕がありませんが、落ち着いたらまた書に向かいたいです。畑でミニトマトやピーマンなどの野菜を育てているので、その野菜を収穫して、自炊生活も楽しんでいます。休日には、近くの町に住んでいる大学時代の友人と日帰り温泉に出掛けたりもします。今後はDIYに挑戦したいです。
林業に興味を持ち始めたころ、公務員の林業職と実際の現場仕事とで就職を迷っていましたが、日本初の町営林業学校として開校した『にちなん中国山地林業アカデミー』に入学し、より実践的な現場研修を受けられたことで、「造林がしたい」と自分の進路を決めることができました。森林組合にインターンシップをした際に組合の皆さんが気さくに受け入れてくださり、当時は女性の作業員がおられませんでしたが、「入ってくれるならありがたい」と言ってもらえて、「ここで働きたい」と自然と思うようになりました。
日南町の森林整備をメインに、植林から伐採・木材販売を行い、循環型林業の構築と環境保全に積極的に取り組んでいます。行政やさまざまな関連企業と連携し、木材加工による高付加価値化、林業アカデミーの開校、広葉樹活用など、多様な林業成長産業化モデル事業に取り組み、地域の林業木材産業の振興発展を目指しています。
時間外勤務をなくし、有給休暇の取得を促進し、働きやすい労働環境を整えています。先進的で機能が優れた林業機械や安全装備を取り入れ、業務に必要な資格は組合が費用を負担し、資格取得を後押ししています。職員旅行を毎年企画し、職員同士の親睦を深めています。
小さな苗木が育つまでには50年以上かかります。林業は次世代に託す仕事です。気さくなメンバーがお互いに信頼しながら楽しく仕事しています。未経験でも大歓迎。林業に興味のある方は、※『にちなん中国山地林業アカデミー』で技術と知識を学ぶこともできます。
日南町森林組合 参事 木村 実次
※にちなん中国山地林業アカデミー 【HP】https://nichinan-ipc.or.jp/
一般財団法人 日南町産業振興センター 【TEL】0859-84-0660