南部町 地域おこし協力隊
TACHIMOTO Takahiro
大阪府出身。大阪府内の大学に進学したが、学び続けることに疑問を感じて3回生の時に中退。1年間のアルバイト生活の後、就農を目指して鳥取県立農業大学校の公共職業訓練「アグリチャレンジ科」で農業研修を受ける。同校で協力隊を紹介され、2018年5月に単身移住。南部町の地域おこし協力隊員として、㈱福成農園で研修中。
僕のように農業に興味があっても経験がない人は、まず技術や資金の問題に直面すると思います。県立農大には初めて農業に携わる人向けの研修課程がありますし、南部町の地域おこし協力隊に着任すると、農業研修も受けられるので、こうした就農支援の活用をお勧めします。また理想と現実には必ずギャップがあるので、理想を持ちすぎないことも大切です。
南部町地域おこし協力隊の農業研修先である㈱福成農園は、コメを中心に小麦や白ネギなどを栽培しています。僕は協力隊の任期終了後の独立就農を目指して、白ネギ栽培の知識や技術、農業機械の操作方法などを学んでいます。町職員や地域の方たちも独立のことを支援してくださり、本当にありがたいです。
就農して3年目に入り、少しずつできること、わかることが増えてきました。ふとした時にそれが役立つことがあり、自分の成長を感じています。一方で、わかるようになってきたからこそ「あの時こうしておけば良かった」と思う場面も多々あります。独立に向けてしっかりと学んで下準備をし、少しでも後悔のないようにしたいです。
大阪の実家は最寄り駅まで遠く、出かける時はいつも時間を気にしていました。今は職場の近くに住み、車移動が中心なので、自分のペースで気軽に外出できるのが嬉しいです。野菜をいただくことが多いので食費は安く済んでいますし、買い物の際は米子市内まで車ですぐに出かけられるので、日常生活に不便は感じません。
休みの日は行き先を決めずにドライブをしたり、買い物やゲームをしたりしています。最近デジタル一眼レフカメラを購入したので、いろいろな写真を撮影してみたいです。大阪時代の友人とは今も頻繁に連絡を取り合い仲良くしていますが、南部町での友人は協力隊や農業仲間が中心なので、これからはもっと幅広く友人を作っていきたいです。
Q.Iターンするきっかけは?
A.就農するためにできることを調べていた時に、偶然訪れた鳥取県の移住フェアで農大のアグリチャレンジ科を知り、「とにかくやってみよう」と応募したことがきっかけです。
Q.Iターンで心配したことは?
A.本当に就農できるのか、できたとしても生計を立てられるのかが心配でした。今も不安はありますが、周囲の方たちがサポートしてくださるので心強いです。
Q.Iターンして良かったことは?
A.大阪府内でものどかな環境で育ったので、都会で働いて暮らすよりも、今の豊かな自然に囲まれている生活が自分には合っています。
都会で生活しているとどうしても外食が多くなっていましたが、移住後は野菜をいただくことも多いので自炊しています。材料費もあまりかからず生活コストが減って、独立に向けた資金を貯めることができています。
立元さんは、研修に来てまもなく3年になりますが、独立就農という目標に向かって、熱意を持って取り組んでくれています。どんな仕事も率先して引き受けてくれて、頼もしく成長しています。
立元さんが働く職場
南部町 地域おこし協力隊
南部町の地域おこし協力隊は、1~3年の活動期間を通じて、まちづくり会社や地域振興協議会で地域住民と協働して、地域を活性化させるまちづくり活動に取り組んでいます。例えば農業推進や、地域資源の発掘や活用、里山活用といった地域協力活動があり、任期後も南部町に定住して起業、就業を目指す人たちで構成されています。
南部町は鳥取県西部に位置し、古事記の伝説が今も伝わる歴史ある町です。東に中国地方最高峰の大山を仰ぎ、人と自然が調和して暮らす里地里山の風景が今も残ります。一方で、米子市と隣接しているので商業施設や空港、駅などにも近く、生活の利便性も確保されています。また子育て支援、移住支援も積極的に取り組んでいます。
立元さんは、農業大学校でトラクターの操作や肥料の散布といった基本を学び、そこで出会った先生から地域おこし協力隊について教えてもらい南部町に移住されました。新規就農は、未経験の方にはハードルが高いことも事実です。立元さんは就農まで非常にスムーズに運んだ好例であり、ひとつのモデルケースとして参考にしてみてください!