㈱テムザック技術研究所は、次世代ロボットの開発・製造・販売を行う㈱テムザック(福岡県)が、鳥取大学医学部附属病院との共同開発をきっかけに、新たに医療ロボットなどの研究開発拠点として2014年に米子市に開設した会社で、医療・福祉・介護分野の多種多様なロボットを研究開発しています。
大学在学中に、身体機能を補助するパワードスーツを製作した会社のドキュメンタリーを見て感銘を受け、自分も医療や福祉に役立つロボットを作りたいと大学院に進学しました。修了後に大手総合電機メーカーに就職して医療・福祉系機器の開発に携わっていましたが、希望していたロボット開発とは方向が徐々に異なり、このままでは絶対に後悔すると思い、30歳を前に転職を決意しました。
転職先では、大手メーカーのように顔の見えない大多数の方を対象にするのではなく、目の前で困っている方に喜んでもらえるロボット開発をしたいと思っていました。やりたい仕事ができる会社を探していたら、それがたまたま米子市にある会社でした。
現在は、子ども用の歩行支援ロボットを、完成を待っている子どもとそのご家族のご意見を聞きながら、各機関と連携して開発しています。ロボットが完成してその子が歩けるようになった姿を想像するとうれしくなります。自分の開発で将来の医療・福祉の発展に貢献できるのは、とてもやりがいがあります。
鳥取市出身でこれまで米子市に縁がなく、正直、最初は鳥取県に帰ってきたという感じがしませんでしたが、やっぱり風土が似ているのか、山や海に囲まれた環境の中で、今はとても安心して暮らしています。
サックスは社会人になってから、芸術的な趣味を持ちたいと思い始めました。米子でも教室を見つけてレッスンに通っています。ロードバイクで寺社仏閣巡りをするのも好きで、鳥取県に帰ってきてからも松江や出雲方面に行ったりしましたが、まだまだ巡る場所が残っていて楽しみです。
場所にこだわらず転職先を探していましたが、結果的にふるさとの鳥取県でやりたいことができる会社が見つかって良かったです。両親も同じ県内にいることで安心してくれています。鳥取県にも世界に発信できる魅力的な会社があります。
この会社は裁量労働制が適用されているので、仕事の手順や配分を自分で決めて効率よく働くことができます。10月からは会社の支援を得て、鳥大医学部の博士課程に入り、仕事と両立しながら医学的な知見も広めていこうと思っています。様々な分野に人脈を築き、深い知識を得て、産業分野と医学の分野、ロボットを必要とされているお客様の間をつなぐ役割を自分が果たせたらと願っています。