移住体験談

雄大な大山が見える家を即決 地域おこし協力隊として活動

大山だいせんが見える家にひかれて即決!

「この家は、雄大で美しい大山が見えるのがよくて決めました」
 そう笑うのは、南部町に地域おこし協力隊として2018年4月に着任した渡邉わたなべ まいさん(33歳)。
 渡邉さんは、町の地域交流スペース「えんどころこめや」で「えほんカフェmomo」を開いている。
「絵本は大学のころから集め、海外で購入したりして200冊以上持っています。私の持っている絵本やスキルが『えん処 米や』の集客につながればと思い、えほんカフェを始めました」
 渡邉さんは、大阪府出身で府内の幼稚園で働いていたが、そこでの保育に疑問を感じた。たまたまテレビで見た、自然のなかで幼児教育を行う「森のようちえん」に感銘を受け、本場のデンマークへと留学する。
「デンマークでは小さなころから『あなたはどうしたいの?』という会話を常にしています。子どもの自主性を重んじる保育が当たり前で、日本との価値観の違いに驚きました」
 帰国後、鳥取県智頭町の「森のようちえん まるたんぼう」で研修生として働く。
「あるとき南部町の友人のところを訪れ、大山を見て、『ここに住みたい!』と思ったんです」
 さっそく南部町で移住定住サポートを担っているNPO法人なんぶ里山デザイン機構(以下、機構)から空き家を紹介してもらい、大山が見える家に決めた。

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「えほんカフェmomo」で渡邉さん。「絵本は、絵にも文章にもそれぞれにストーリーがあり、大人が読んでも深いものがあります」。

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「えほんカフェmomo」は、毎週金曜と第2土曜の11:00~15:00開催。

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今日のごはん(ドリンク付き1000円、単品800円)など。料理は飲食店でのアルバイトで覚えた。

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家の縁側は、大山を望む特等席。「この場所にいると時間が経つのを忘れてしまいます」。

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昭和20年代の古民家を町が借り上げて改修工事をし、機構が運営管理をしている「えん処 米や」。地域交流スペースでは、カフェや講座を行う。

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渡邉さんを囲んでNPO法人なんぶ里山デザイン機構のスタッフの皆さん。

将来は南部町に森のようちえんを

 現在、渡邉さんは地域おこし協力隊として機構に出向し、さまざまな活動をしている。
 その1つが、「えん処 米や」の運営管理やそこで毎月行っているサンデーマーケットの手伝いで、「えほんカフェmomo」もその一環だ。
 2つめが講座スタッフ。機構では、養蜂蜂蜜体験や発酵食品づくりなど、さまざまな里山の暮らしにかかわる講座を開いている。そのなかで渡邉さんは今年度、子どもたちとの森遊び講座を担当。野外クッキングや川遊びなどを企画している。
「今後は、その講座の経験を活かして、より森のようちえんに近いかたちで森のなかで1日過ごす『おさんぽかい』を行う予定です。南部町は米子市に近いのですが、里山の自然が豊かなので、森の散策には最適です」
 将来、南部町で森のようちえんを開設したい渡邉さんにとってはいい機会となっている。
 さらに、南部町でさまざまな取り組みをしている人をホームページで紹介する「なんぶの里人さとびと」のインタビューも担当。
「地域の人たちと知り合え、私のことを知ってもらうこともできます。南部町には面白い人がたくさんいます(笑)」
 南部町はみんなが親切で、暮らしに困ることがないという。
「畑から野菜を好きに穫っていいよと言ってくださるし、お祭りやイベントなどにも誘ってくれます。今度の週末はユズ胡椒づくりに呼ばれているんですよ」
 地域おこし協力隊の任期終了後も南部町で暮らしたいと話す渡邉さん。南部町に新しい森のようちえんができる日も近いかもしれない。

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渡邉さんが、大山が見えるからと即決した家。トイレは汲み取り式。壁を塗り直すなどDIYを楽しみつつ暮らしている。

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「畑をやりたい」と話をしたら、近所の人が耕してくれた。「種を蒔くだけの状態になっていて(笑)。こんなところも南部町のよさです」。

●information● 鳥取県南部町
米子市の南に位置し、環境省の「生物多様性保全上重要な里地里山」に西日本で唯一、町内全域が選定され、豊かな自然環境をフィールドにした講座などが行われている。医療福祉環境や子育て環境も充実し、ボランティア活動も盛ん。
<問合せ先>南部町企画政策課 TEL 0859-66-3113

宝島社発行「田舎暮らしの本2020年2月号」掲載

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