移住体験談

豊かな自然、温かな地域、教育などよりよい子育て環境を求めて

第一子から保育料無料 小中一貫校もある

 「もともと田舎で子育てをしたいという思いがあったんです」
 そう話すのは、2016年8月に若桜町へ移住した、千葉正隆(まさたか)さん(39歳)と麻美(あさみ)さん(38歳)夫妻だ。
 ともに秋田県出身で、中学校の同級生だったという千葉さん夫妻。結婚後は神奈川県で会社員をしていたが、東日本大震災をきっかけに長野県へ移住。正隆さんは、輸入品を販売する自営ネットビジネスを開業した。2年目に誕生した長男・(りゅう)太朗(たろう)くんの保育所探しで苦慮したことから、よりよい移住先を探しはじめた。
 島根県で空き家を見学したものの、ちょうどいい物件が見つからず、帰りに若桜町へ連絡して立ち寄った。そのときに見学したのが、山間部の小さな集落に建つこの古民家だ。
 「周囲の環境も家も気に入りましたが、そのときは即決せず保留にしました」(正隆さん)
改めて4月に見学に訪れ、移住を決めた。
 「こども園の保育料と給食費が無料、小中一貫校があるなど、子育て環境が整っている点にひかれました」(麻美さん)
 家はあまり傷んでいなかったが、床に断熱材を入れ、リビングや水回りを改修したほか、壁紙張りなどは自分たちで行った。費用の一部は町の補助金を活用。「移住後、集落のみなさんが歓迎会を開いてくださり、うれしかったです。見知らぬ土地でしたが安心しました」(正隆さん)

わかさこども園の前の広場で。隆太朗くん(5歳)が正隆さんとスキップの練習。

わかさこども園の前の広場で。隆太朗くん(5歳)が正隆さんとスキップの練習。

小高いところに建つ古民家を格安で購入しリフォーム。補助金を活用して一部を賄った(補助金については上記参照)。

小高いところに建つ古民家を格安で購入しリフォーム。補助金を活用して一部を賄った(補助金については上記参照)。
自宅で作業する麻美さん。若桜町は光ファイバーが通り、通信環境はいい。

家の前を散策。「家の前を車が走っていないので安心です」と麻美さん。

家の前を散策。「家の前を車が走っていないので安心です」と麻美さん。

「わかさこども園」は通園する子どもが増えており、増築して来年4月から定員を増やす予定。

「わかさこども園」は通園する子どもが増えており、増築して来年4月から定員を増やす予定。

施設一体型小中一貫校「若桜学園」。小学生と中学生が一緒に授業や行事を行う機会がある。

施設一体型小中一貫校「若桜学園」。小学生と中学生が一緒に授業や行事を行う機会がある。

行事がたくさんあり 人見知りしない子に

 隆太朗くんは、幼保連携型の認定こども園「わかさこども園」に通っている「親子遠足や自然遊び教室、アート教室、フルーツ狩り、園外保育など、行事が毎月あり、園に行くのがとても楽しそうです。人とふれあう機会が多いせいか、隆太朗が人見知りをしなくなりました」(麻美さん)
 現在、麻美さんは自宅でウェブコンテンツの制作を行い、またコケを使ったテラリウム(※)を楽しんでいるそうだ。※透明なガラスの容器などでコケなどの植物や小動物を栽培・飼育することで、インテリアとして人気が高い。
 「若桜町は湿気が多いから、うまく育つと思ったのですが、水槽で育てるのは難しいです」(麻美さん)正隆さんは、若桜町商工会のメンバー2人とジビエカレーなどを提供する飲食店を始めることになり、その準備に取りかかっているという。
 「野菜をよくいただくなど、集落の方がたがとても親切です。冬は50㌢ほど雪が積もりますが、家の前まで除雪されるので不便はないです。強いて大変なことを挙げれば、病院が遠い、虫が多い、湿気が多いことですかね」(麻美さん)
 昨年暮れには次男の正之(せいの)(すけ)くん(10カ月)も誕生した。若桜町でのびのび育っていくことだろう。

リビングには薪ストーブを設置。若桜町では、薪ストーブの購入などへも半額補助が出る(上限40万円)。

リビングには薪ストーブを設置。若桜町では、薪ストーブの購入などへも半額補助が出る(上限40万円)。

麻美さんは、家の周囲にあるコケを採取(右上)、水槽で栽培している。

麻美さんは、家の周囲にあるコケを採取(右上)、水槽で栽培している。

●information● 鳥取県若桜町
鳥取県の南東に位置する人口約3300人の町。氷ノ山(ひょうのせん)をはじめとした山々に囲まれ、豊かな自然と清流に恵まれている。若桜鉄道やSL、昭和レトロな若桜宿など、懐かしい風景が広がる。
<問合せ先>若桜町移住定住・交流センター TEL 0858-71-0800

宝島社発行「田舎暮らしの本2018年12月号」掲載

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